ハイブリッド専用車の役目は終わった? プリウス&アクアが急激な「販売不振」に陥ったワケ (2/2ページ)

最新車種と比較するとどうしても古さが出てしまう

 たとえばカローラとプリウスを比べてみると、もともとプリウスがいままで売れていたのは、プリウスぐらいのサイズのセダンがなく、それまでのセダンユーザーが乗り換えていたケースが多い。そこに3ナンバーサイズとなり、プリウスに車格が近くなった新型カローラがデビューした。しかも、セダンとステーションワゴン、そしてハッチバックも選べるようになった。目新しさと3ナンバーサイズとなった話題性もあり、カローラに需要が流れているというのは、販売現場でもよく聞く話。

「プリウスは見た目に対し、細かい部分で古さが目立ちます。カローラでは電子式パーキングブレーキなのに、プリウスは足踏み式パーキングブレーキとなっています。9年目のアクアとヤリスでは、ますますアクアの古臭さが際立つでしょう」(事情通)。

 事情通は「HEV(ハイブリッド車)専用モデルの役目が終わったのではないか」とも話す。

「日本メーカーは出遅れていますが、世界的にはBEV(純電気自動車)が盛んにリリースされています。BEV先進国ではいよいよその先として、燃料電池車(FCEV)の本格普及をめざす動きも出ています。BEVやFCEVでは、本格普及はまだまだこれからなので、近未来的なフォルムを持ったりした専用車というのは必要かもしれないですが、世界初の量産ハイブリッドとして初代プリウスがデビューしてから、すでに20年以上が経っています。日本国内で日本メーカーがラインアップするモデルのなかでも、ガソリンエンジン車とともに、HEV仕様をラインアップするモデルがトヨタ車以外でも珍しくなくなっております。そのような環境下ではHEV専用モデルの役目は終わったという声はよく聞きます」(事情通)。

 プリウスはともかく、9年目をむかえたアクアには、いまだにはっきりしたモデルチェンジ情報が存在しない。プリウスは3代目まではグローバルモデルとして活躍していたが、現行4代目は日本市場以外では、ほぼ北米のみで販売されているような、ドメスティックモデルといっていい状況になっている。置かれている状況は微妙に異なる2車だが、存在意義が薄れてきていることは間違いないと言えるのではなかろうか。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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