チューニングのベースとしても最適!
自動車にはさまざまなジャンルが存在し、それぞれにファンが存在している。なかでもコアなファンを持つスポーツカーに対し、対極に位置するのが働くクルマの代表格のトラックではないだろうか?
そんなトラックにも少し手を加えることでスポーツカー顔負けの走りを楽しむことができるモデルが存在していた。それが日産サニートラックである。
サニートラックとはその名のとおり日産の大衆車であったサニーをベースとし、車両後部をトラックとしたモデル。サニー譲りのコンパクトなボディということで、個人商店の配送車やガソリンスタンドの小型ローリーとして活躍する姿を覚えている人もいるのではないだろうか?
そんなサニートラックは1967年に初代モデルが登場し、1971年には2代目へとフルモデルチェンジを果たしている。今回紹介するものはこの2代目モデルだ。
2代目の初期型を見れば分かるかもしれないが、2代目サニートラックはB110型サニーがベースとなっている。このB110サニーはツーリングカーレースのベース車としても知られており、そのコンポーネンツをほとんど流用して誕生しているサニートラックはチューニングのベースとしても最適だったのである。
また、本家のB110サニーは1970年から73年までの期間しか生産・販売がなされなかったが、それをベースとしたサニートラックは1994年まで継続して生産されていたため、比較的高年式で状態の良いものが多かった点も人気の要因のひとつだった。
また、最終型付近の時代でも新車価格が70万円台と安価であり、商用車あがりの手ごろなベース車として入手しやすいこともあってチューニングベースとしてもてはやされたというワケなのだ。
現在はさすがに生産終了から25年以上が経過し、価格帯も上がってきてはいるものの、B110サニーよりは安価に手にすることができる。ただし、1989年11月に行われた最後のビッグマイナーチェンジ以前の個体は改正NOx・PM法に適合していないため、そのままでは規制対象地域で登録することはできない。
改正NOx・PM法適合車かどうかのもっとも簡単な見わけ方は、フロントマスクが角目ヘッドライトになっているかどうかだが、初期型の丸目ヘッドライト顔が人気ということもあって交換されているものも少なくない。
そのため購入時は車検証の記載事項をチェックしてからでないと、買ったはいいけど登録できないということにもなりかねない。特にネットオークションなど個人売買で入手する際は注意が必要だろう。