CO2ゼロの社会を実現するためにはEVを選ぶべき
解決策は、基となる発電からのCO2排出をゼロにすることであり、再生可能エネルギーも活用するとしても、主力は原子力発電である。
日本は、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故によって脱原発の意見が多数を占めるが、先に述べたように再生可能エネルギーは補助にはなっても主力にはなれず、火力発電を続ければ気候はなお悪化し、自然災害で甚大な被害にあい、人命や財産、そして人生が失われかねない状況にある。原発を採るか、自然災害を採るか、究極の二者択一の時代を我々は迎えているのである。
その原子力発電も、いま世界中にある方式は、クルマでいえば1950年代の旧車を走らせているようなものだ。当時のクルマが、排ガス対策がされていなかったり、安全性に問題があったりするから、クルマは駄目だと言っているに等しい。原子力発電も、現代のクルマが環境性能も安全性も大きく改善されているように、新しい方式はその可能性がある。ことに液体燃料を使うトリウム熔融塩炉への期待は大きいのである。
この先、CO2ゼロの発電による、CO2ゼロのEVを選ぶほかに道はない。
単なる効率追求型の研究や開発から徐々に手を引き、菅義偉総理大臣の2050年にCO2を含む温室効果ガスゼロ社会を目指すという悠長なことではなく、CO2ゼロ社会の一刻も早い実現を目指さなければ、若い人たちが快適で幸せな人生を設計することのできない未来へ突き進んでしまうことになる。