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違反をしなければ安全は幻想! レーシングドライバーがサーキットより「恐ろしい」と語る「公道運転」で注意していること4つ (2/2ページ)

違反をしなければ安全は幻想! レーシングドライバーがサーキットより「恐ろしい」と語る「公道運転」で注意していること4つ

常に前車の2〜3台前の車両の走行状況まで気にかける

 僕の運転免許も今年ようやく「ゴールド」となった。前回の更新時も5年以上無事故無違反でゴールド対象となるところだったが、更新のひと月前に交通違反で検挙されてしまい、残念ながらゴールドにならなかった。

 それでも18歳で運転免許を取得してから40年以上、無事故で過ごせているのはレースで走るとき以上に安全運転に注意を払っているからだ。実際のところ道路交通法に則って走行するのと、事故を起こさない運転ポイントには大きな違いがある。交通違反をしなければ事故を起こさないというのはファンタジーに過ぎない。

 では、レーサーというハイスピードの限界域で主に活動してきたプロドライバーが、一般道で事故を起こさないように気をつけているポイントはどこにあるのだろうか。

1)先を読む

 市街地を走行しているなら他の車両も多く走っているだろう。自分の直前にいるクルマがブレーキを踏めば、追突しないように自らも減速するのが一般的なドライビングだ。しかし、プロレーサーは常に先を見越している。前車がブレーキを踏むには、その先に信号なり歩行者なり交差点なり、減速する何らかの必要性があるためだろう。その状況を前車より先取りし、前車より先にブレーキを踏めるよう心がけているのだ。

「認知・判断・操作」とよく言われるが、前車が減速したのを認知して操作し減速するのでは、前車の減速強度によっては追突してしまう可能性がある。「ブレーキテスト」と呼ばれる嫌がらせ行為(近年ではこうした行為も走行妨害として煽り運転取締対象となる可能性がある)をされることもあるが、前車の急減速を認知してからブレーキ操作をしたのでは本当の急減速なら追突してしまう。それを回避するには十分以上の車間をとって備えていなければならないわけだ。常に前車の2〜3台前の車両の走行状況を気にかけ、前車より先に行動する。トラックなど先が見えない場合は車間を十分にとって急な場面に備える。一般的には前車と常に3秒以上の時間的距離を取っていれば、嫌がらせを含めた急な事態にも備えられるだろう。

2)並ばない

 複数車線の道路を通行中、順調に流れていれば隣車線の車両と並走する場面も多いはずだ。しかし、プロレーサーは多くの場合に並走することを避ける。それは歩道からの飛び出しや路面の異常、落下物の回避などいついかなる時でも車線変更できるようスペースを確保しておきたいからだ。一般的なドライバーは無神経に隣に並びかけてくる事が多いが、そんな時は自らがアクセルを弱めて後ろに下がり、お互いにいつでも車線変更できるスペースを確保しておくのだ。

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