110番通報をしてドアロックをかけ、自分では対応しないのが一番
相変わらず「あおり運転」が社会問題になっています。クルマで車間を詰めるような危険運転にとどまらず、「ロードレイジ(路上暴力)」と呼ばれるような行為が表沙汰になることも増えています。
いずれにしてもあおり運転やロードレイジの加害者側は計画的な行為ではなく、アンガーマネジメント(怒りの制御)ができずに突発的に加害行為に及んでいるといえます。
これだけ「あおり運転」関連の報道があり、罰則も厳しくなっていることがわかっている上で、そうした行為に及ぶというのは冷静さを失っているということであり、まともな交渉ができる状態にないと考えるのが妥当です。
ですから、もし「あおり運転」を受けたり、強制的に停車させられ暴力を振るわれたりといった状況になったとき、相手となんらかのコミュニケーションをとって事態を解決しようとすることはナンセンスです。どちらに非があるという話と、ケガをしたり最悪命を落としたりすることは比べるものではありません。自分や家族、同乗者の安全を守るのが最優先事項になります。
もし強制停車させられたとしても、ドアロックをかけ、すぐさま110番通報をして助けを求めるようにしましょう。間違っても相手にしようと考えてはいけません。
大事な愛車が蹴られたりして傷つけられるのは我慢ならないかもしれませんが、昔から「命あっての物種」というように、クルマは直すことができますが、人間のケガは簡単に治りませんし、命を失わなくとも後遺症を抱えてしまうことは考えられます。とにかく、やり過ごして時間を稼ぎながら助けが到着するのを待つという一択です。
そして停車するにしても、できれば第三者が多くいるような場所であれば“証人”が多くいる状況を作れますし、いまどきは周囲の人々がスマートフォンなどで悪質な行為を撮影してくれるので、さまざまな証拠が残る可能性が高くなります。
加害者側は冷静さを失っている状態ですから、それでもお構いなしに攻撃してくる可能性もありますが、周囲の目によって相手が冷静さを取り戻すことも期待できます。まして、警察がすぐ近くにいるような状況で傷害行為を行なえるほど“切れてしまう”人はそう多くはいないでしょう。
ですから一般道で「ロードレイジ」的な相手に絡まれたときは、警察署や派出所を目指して逃げるというのも一つの手といえますが、あくまでも土地勘があって警察署などへの距離感やルートがわかる場合の限られた手段であって、基本的にはおとなしく停車してドアロックをしっかりとかけ、車内から110番通報するのが最善の手段です。
もし意識するとすれば、110番通報で自車位置を伝えやすいように、なんらかの目印がある場所の近くで停まるといいかもしれません。
また、最新のコネクテッド装備を持つクルマであれば、「ヘルプネット」によって助けを呼ぶこともできますし、その場合にはGPS信号から自車位置を把握して連絡してくれるので、その意味では安心です。