人気車種はとくに要注意! スタッドレスタイヤを買うなら雪が降る前の「10〜11月」にすべき理由4つ

ギリギリだと価格や時間などで損をしてしまう可能性も

 秋も深まり、いよいよ冬間近の季節になった。しまっておいたセーターやコートを出しはじめるのと同時に、愛車の冬支度も忘れてはならない。

 その準備の重要項目が、冬タイヤへの交換だ。これからスタッドレスタイヤを購入し、履き替える予定があるなら、なるべく早くアクションを起こし、購入、交換したほうがいい。とくに今年の冬は、コロナの影響で、お出かけするにも公共交通機関を使わず、愛車で出かける機会も増えそうだから、なおさらだろう。

1)人気車種やサイズの欠品に注意

 なるべく早く交換すべき理由はまず、人気車種、売れに売れている新型車、ほかに採用例が少ないサイズ(スズキ・ハスラーの165/60R15など)の場合、サマータイヤほどの生産量がないスタッドレスタイヤの該当サイズが欠品してしまう可能性があるのだ。取り寄せ中に大雪……なんてことになったら、目も当てられない。コロナ禍で配送なども遅延するかもしれない。その取り寄せにしても、早いタイミングなら納期も早くて済むわけだ。

 実際、今年の2月、積雪が予想される地方に出かける際、友人のクルマに同乗することになったのだが、一般的なサイズじゃないため、友人はスタッドレスタイヤを探しに奔走した経緯がある。これぐらいの時期になると、サイズによっては欠品……になったりするのである。

2)早期に買えば早割で安くなることも

 これはお店によって異なる事情だが、早期に購入することで、早割価格になる可能性もある。そもそもスタッドレスタイヤは季節、需要と供給の関係で価格が変動することも多々あり、多くの人がスタッドレスタイヤを購入する、需要が供給を上まわる時期になれば、価格も上昇する可能性があるから要注意。お得にスムースに買うなら、やはり10~11月の早目が「吉」である。

3)タイミングによっては履き替えの待ち時間が長くなることも

 スタッドレスタイヤへの履き替え、スタッドレスタイヤ&ホイールセットの履き替えのどちらにしても、ニュースで積雪予報が出ようものなら、多くの人がカー用品店、タイヤショップに駆け込むことになる。予約が取れない、取れても待ち時間が長いなど、ギリギリのタイミングでスタッドレスタイヤに履き替えようとすると、ロクなことはない。普通なら1時間以内に終わるところが、数時間待ちなんていう事態も、ニュースで取り上げられているではないか。初雪のあとの週末は誰もが焦って交換に行くため、大混雑必至である。

4)慣らし運転をして最大の性能を発揮させたい

 ところで、新品のタイヤが本来の性能を発揮するようになるには、100キロ以上の慣らし運転、タイヤの皮むきが必要と言われている(サマータイヤも)。新品のままだと、とくにスタッドレスタイヤは雪上、氷上でのグリップ、制動性能が100%発揮されない可能性がある。雪が降ったから、いきなり新品のスタッドレスタイヤで走り出すのはリスキーというわけだ。

 ゆえに、早目にスタッドレスタイヤに履き替え、慣らし運転をして、雪に備えるのが正解なのである。積雪地方のドライバーなら、釈迦に説法だろうが、都会のドライバーでも、今年の冬はいつになく寒いという長期予報もでているぐらいで、いつドカ雪が降るかわからないから、備えあれば憂いなし、である。最近のスタッドレスタイヤは乗り心地、ロードノイズ、燃費性能といった点でサマータイヤに迫る性能を持つものが多く(ブランドタイヤ)、早目に履き替えたとしても、ドライ路面の乗り味にほとんど影響を与えないことも知っておきたい。

 また、持ち越したスタッドレスタイヤは、タイヤのコンディションによって使わないほうがいい場合もある。最大でも、3シーズン使ったスタッドレスタイヤは新品に交換すべきだろう(雪道をどのぐらい走ったかにかかわらず、ゴムの特性上、2~3年が寿命の目安)。サマータイヤも同様だが、山があったとしても、老化防止剤の油分が抜け、硬化したタイヤだと、雪道はもちろん、雨の日にもグリップが低下し、リスクを伴うからだ。

 では、早目の冬タイヤ交換で、今年の冬のドライブを、安全、快適に楽しんでほしい。準備万端であれば、気持ちにも余裕ができるというものだ。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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