ヘッドアップディスプレイに表示できる情報が増えている
フロントウインドウに、投影させてさまざまな情報を表示するのがヘッドアップディスプレイ。古くはデートカーとして大ヒットしたS13型の日産・シルビアに採用されていて、30年ぐらいの歴史はある装備だ。なにやら、戦闘機の照準っぽい雰囲気も楽しめたり、デジタルっぽいので一時話題にはなったが、次第に下火に。それが最近になって、また増えてきているし、マツダのようにメーカーとして積極に採用しているところもある。V字回復的なその背景にはなにがあるんだろうか。
そもそもヘッドアップディスプレイの最大のメリットは、外の視界を大きくさえぎることなく、情報を映し出すことにある。また目線の移動を最小限にできるのもメリットだ。
デメリットというか、仕方がないものではあるが、投影面積は非常に小さいというのはある。また、冷静に考えてみると、目線の移動量うんぬんは別にして、メーターがあるのにさらになにを表示するのかも問題だ。結局、初期のころのものは、デジタルにしてもスピードが出る程度だったので、飽きられたし、メーカーとしても手詰まり感はあったと思う。
それが今、また復活しているのは、逆に表示すべき、そして表示可能な情報が増えているからというのが大きな理由だ。実際、メーター自体も従来の項目に加えて、さまざまなアイコンや数字が並ぶ。そうなると、表示する場所が枯渇するわけで、ヘッドアップディスプレイもメーターのひとつとして捉えて、それぞれに分散表示するようになっている。
ほかには安全を重視して、視線移動量を最小限にする効果も採用が進む理由だし、商品力向上のためというのももちろんある。自動運転の時代になると、メーターよりもガラスに投影するほうが増えるのではないかという予想もあって、今後の採用については目が離せないと言っていいだろう。