ヴェルファイアもピンチ! 車種の取捨選択は続く可能性大
さらにやっかいなのが、ヴィッツを専売で扱っていたネッツ店のなかには、いまも大量のヴィッツの未登録在庫車を抱えているという情報も入っている。「知り合いがネッツ店へ行ったときに、『ヴィッツの在庫車まだありますよ。しかもボディカラーも選べます』とセールスマンが切り出してきたそうです」(事情通)。ヴィッツの在庫車も加わると、ますますコンパクトカーの選択肢が増えてしまっている。さらなる“交通整理”は不可避といえるだろう。
ただすでに統廃合へ向けた動きもあるようだ。例えばアルファードは自販連統計によると、2020年単月の販売台数は6月6835台(前年比134.3%)、7月8448台(前年比135.6%)、8月7103台(153.5%)、9月1万436台(前年比160.0%)と、コロナ禍でも絶好調となっている。しかし一方でヴェルファイアはいずれも前年比で6月51.5%、7月38.4%、8月59.4%、9月36.6%と絶不調に見える。「全店併売後に専売だったトヨペット店以外の店舗でも、アルファードの大判ポスターを店舗内に掲示するように指示がきたそうです。すでにアルファードありきで販売現場は進んでいるようです」(事情通)。
さらに事情通によると、アルファードは破格の値引き(70万円引き)も飛び出しており、さらに残価設定ローンでの残価率もかなり良いので、ローンを組むとノアの上級グレードと月々の支払い額がほぼ変わらないこともあり、ノア系の購入希望客も取り込んでいるようだ。結果的に、販売現場で意図的にアルファードへ誘導している様子は販売統計からも伝わってくる。
「新しくプレミオ&アリオンを扱う店舗のなかには、『あまりにご長寿モデルでもあるので、どうやって売っていいかわからないし、そもそもカローラがある』として、カタログをラックに置かないところもあると聞きます」(事情通)。
ノア系やアルファード&ヴェルファイアはモデル末期なので、フルモデルチェンジのタイミングで整理されるだろう。ただし、コンパクトカーはヤリスについては統計上販売は好調に推移しているし、ルーミーは名実ともに大ヒットモデルとなっている。アクアやパッソもそこそこ販売台数を確保しているので、コンパクトモデルの統廃合は悩ましいところもあり、思うように進まず販売現場の混乱が長引くかもしれない。