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ヤリス+ヤリスクロスでN-BOX超え! 単なる「数字のマジック」じゃない「ホンモノ」の商品力 (2/2ページ)

ヤリス+ヤリスクロスでN-BOX超え! 単なる「数字のマジック」じゃない「ホンモノ」の商品力

販売台数は一般ユーザーの誤解を招く統計方法で算出されている

 2017年以降、国内販売の総合1位はほぼ一貫してホンダN-BOXだったが、2020年9月には状況が変わった。トヨタ・ヤリスが2万2066台を登録して、N-BOXの1万8630台を上まわったからだ(データは日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会の発表)。

 この経緯には注釈が必要になる。2020年9月におけるヤリスの登録台数には、2020年8月31日に発売されたトヨタ・ヤリスクロスの台数も上乗せされていることだ。両車の外観は完全に異なり、エンジンとプラットフォームが共通でも、トヨタは別の車種として扱う。それなのに「ヤリス」の車名が付くため、販売統計上は合計されるのだ。

 似たような例はほかにもある。スバルのインプレッサとXVは、メーカーは両車を別のクルマとして扱うが、登録台数は合計して発表される。トヨタ・カローラの登録台数は、新型のカローラセダンとカローラツーリングのほかに、5ドアハッチバックのカローラスポーツ、継続生産型のカローラアクシオ&カローラフィールダーまで加えた数字だ。こうなるとカローラではなく、カローラシリーズと呼ぶ必要がある。場当たり的な算出で、自動車業界には通用しても、ユーザーがクルマを選ぶときの参考にはならない。

 いまの日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会は、昔と違って誰でも閲覧できるホームページを運営している。そこにこれらのデータを掲載しているのだから、もはや自動車業界向けとはいえない。一般ユーザーの誤解を招かない算出方法に改めるべきだ。

 そこでトヨタに登録台数の内訳をたずねると、2020年9月におけるヤリスのみ(ヤリスクロスを除く)の台数は約1万4600台だという。N-BOXは前述の1万8630台だから、ヤリスとヤリスクロスの登録台数を別々にすれば、いまでもN-BOXが国内の最多販売車種だ。

 それでもヤリスの約1万4600台は好調といえる。軽自動車で2位のスズキ・スペーシア(1万5592台)には達しなかったが、国内販売の総合3位に位置付けられる。

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