満充電で数十キロしか走行できないケースも
2010年から発売がスタートした日産の電気自動車であるリーフ。現在は2代目が販売されており、今年の9月には累計生産台数が50万台を突破している。
そんなリーフもデビューから10年が経過し、初期モデルは中古車市場でも手ごろな価格となっている。とくに安いものでは20万円台のものも存在し、50万円以下の個体もかなりの数となっているのだ。しかし、電気自動車のリーフにはバッテリーの劣化という大きな問題が立ちはだかる。
最初期のリーフは満充電で200kmの走行が可能となっていたが、それはあくまでカタログ値の話であり、冷暖房を使わない季節でも150km弱、暖房を使う冬では100km前後が実質的な走行可能距離というのが筆者の感覚だ。
バッテリーが新しい状態でこうなのだから、当然劣化したバッテリーではより短い距離しか走ることができない。リーフのバッテリーの状態はメーター上で確認することができ、新車時は12セグメント(メモリ)ある表示が、バッテリーの劣化が進むにつれて減っていくようになっている。
そこで格安で販売されているリーフをチェックしてみると、おおよそ7~9セグメントとなっている個体が中心となっている。つまり、ざっくり考えると新車時の6~7割の容量のバッテリーになってしまっているのと同列ということだ(厳密にはセグメントとバッテリーの容量は完全に一致しているわけではない)。
そのため、格安でバッテリーの劣化したリーフを購入した場合、満充電で数十キロしか走行できないということにもなりかねないのだ。
ただ、裏を返せば自宅周辺への買い物や子供の送迎など、短距離も移動をするだけのクルマを割り切り、自宅で充電ができる環境が揃っている人であれば、圧倒的に少ないコストで運用することも不可能ではない。
また、日産も再生バッテリーの供給をスタートしており、24kWhのバッテリーで10セグメント相当のものへの交換を30万円ですることができる。これを活用すれば航続距離を回復することもできるだろう。
1台ですべてをこなそうと考える人には決してオススメできない激安リーフではあるが、航続距離が短い点を理解した上で使うのであれば意外とアリなのかもしれない。