使用できるときがあまりにも限定されている機能も……
5)外開きウインドー
今では希少な装備として、外開きウインドーがある。昔のクルマの三角窓がそうだったが、上下には開閉せず、少し外側に開くという窓だ。
ドアの構造上、ウインドーガラスを昇降させられないクルマの一部、例えば観音開きドアだったマツダRX-8のリヤウインドウがそうで、上下に開かないまでも、換気に良さそうに思えるが、ユーザーに聞いてみると、使ったためしはまずないそうだ。なので、マツダMX-30の観音開きリヤドアに不採用となったとか。
6)クール/ホット機能付きコンソールボックス
一時、ファミリー層にウケがよかったのが、クール/ホット機能付きコンソールボックス。エアコンの風をコンソールボックス内に引き込み、内部を冷やしたり、暖めたりできる機能。が、温冷蔵庫的な効果があるわけではない。そもそも夏、エアコンは20~25度ぐらいに設定するケースが多いはずだが、それで飲み物がキンキンに冷えるはずもない。冬、適温設定と言える25度で車内は十分に温まるはずだが、その温度で飲み物が熱々になることもない。
7)デジタルインナーミラー
これは賛否が分かれそうな装備だが、ルームミラーに後方映像を映し出す機能を持つもの。ワゴンやSUV、ミニバンなどで、ラゲッジスペースに荷物を高く積んでも、カメラは車外にあるため、荷物に影響されない後方視界が確保できるのだ。そう聞くと、これは絶対に便利!! と思うだろうが、そもそも、一般ユーザーが普通のルームミラー、目視で後方がまったく見えないほど荷物を積み込むことなんて、めったにないはず。除湿機能もあるエアコンが標準化されている今では、リヤウインドウが曇ることもまずない。
しかも、個人的な見解としては、遠近感がつかみにくく、ボヤけた画像が気に入らないため、装着車でもほぼ普通の鏡面で使っている。ただ、トヨタの新型ハリアーの録画機能付きにはメリットを感じる。
8)ドアミラーのデフロスター機能(フォルクスワーゲン・ゴルフ7)
最後に、日本でも人気絶大な輸入車、世界のコンパクトカーの基準となる1台、フォルクスワーゲン・ゴルフ7について。ドアミラーには、角度調整や自動折り畳み機能とともに、デフロスター機能が付いている。鏡面が曇ったときに威力を発揮してくれるのだが、梅雨時の地下駐車場などで、湿気によって鏡面が曇りまくっても、えっ、作動しない。というのも、外気温20度以下でしか作動しない機能なのである。
つまり、寒い時期、鏡面に雪や霜が付着したような場面を想定した!? 機能のようなのである。便利そうでも、これはめったに使えない。というか、ゴルフ7に6年乗っているが、まだ必要に迫られても、使えたことなし(雪のなかを走っていないせいもある)。ゴルフ8ではどうなっているのか??