市販車との共通部品はドアノブとエンブレムだけ! 燃費はリッター2km! スーパーGTマシン「GRスープラ」の秘密 (3/3ページ)

同じGRスープラでもGT300マシンはさらに別物!

──GT300クラスでは埼玉トヨペットGreen Braveさんが同じくGRスープラをベースにしたニューマシンとして52号車の埼玉トヨペットGB GRスープラGTで参戦しているのですが、GT500のGRスープラGT500と共通性はあるのでしょうか?

湯浅氏:GT300のGRスープラはJAF-GT規定で作られているし、エンジンもレクサスRC-F GT3と共通の5200ccのV型8気筒なので、まったく違うクルマになります。

──GT300のGRスープラGTもTRDがマシン開発したのでしょうか?

湯浅氏:空力のアドバイスはしていますが、基本的にGT300クラスのマシン製作は各チームがやっています。

──なるほど。GT300クラスもまた別のクルマですね。次回はGT300もチェックしたいと思います。ありがとうございました!

 このように、スーパーGTのGT500クラスは市販モデルとはまったくの別物。事実、ホンダの主力モデルであるNSX-GTもベースモデルはMRのNSXだが、GT500モデルはFRのパッケージで、GT-Rに関してもレース専用マシンに仕上がっている。

 GT500クラスではトヨタ、ニッサン、ホンダの3メーカーが激しいマシン開発を展開するほか、タイヤメーカーに関してもブリヂストン、ヨコハマ、ダンロップ、ミシュランが参入し、激しいバトルを展開。まさにスーパーGTのGT500クラスは世界的にも珍しいほどコンペティティブで、ドライバーにとっても特殊なカテゴリーとなっているようだ。

 事実、TGRチームWedsSport BANDOHの19号車でGT500クラスに参戦する宮田莉朋選手は「マシン、とくにエンジンとタイヤの開発競争がすごいと思います。その分、ドライバーとしてはきちんとフィードバックしないといけないし、勝つためにはドライバーだけでなく、チームのメカニックはもちろん、自動車メーカーやタイヤメーカーの協力が必要になると思います」とのこと。

 宮田選手はスーパーフォーミュラ・ライツのほか、第2戦ではスーパー・フォーミュラにデビュー。その一方で、2018年〜2019年にかけてGT300クラスに参戦するなどさまざまなカテゴリーへの参戦経験を持っているだけに、そのコメントからいかにGT500クラスの開発競争がすごいかが伺える。

 開発競争という点をみれば、スーパーGTのGT500クラスはF1にも匹敵するカテゴリーで、それゆえに人気の高いレースとなっているのである。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

愛車
スバル・フォレスター
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登山
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