クルミと非対称パターンが肝! TOYO TIREのスタッドレスタイヤ「オブザーブギズツー」に注目

こだわりの非対称パターンと新コンパウンドに注目!

 本格的な冬シーズン到来を前に、検討したいのがスタッドレスタイヤの購入。だが、都市部などでは本格的な降雪は年に1回あるかないか……。そのために購入したスタッドレスタイヤを、できるかぎり長く維持したいと考えたくなるのは当然だ。

 そんな欲張りな人にオススメなのが、トーヨータイヤの最新モデル「OBSERVE GIZ2(オブザーブ・ギズツー)」だ。従来品よりもアイス性能をさらに高め、経年劣化に対する性能維持も実現している。

 まず、こだわっているのが日本の最新の雪道状況を考慮して開発していること。気候変動によって、冬の札幌でも最低気温が0度を超えることが多くなり、日中の気温上昇でシャーベット状のウエット路面になることも増加。さらに、夜間で気温が氷点下へ下がると凍結したアイス路面になってしまう。そのような刻々と変わる路面状況に対応するべく開発し、ゴムの経年劣化による氷上の摩擦力低下抑制、アイス路面での性能のロングライフ化を図っている。

 具体的な採用技術など特徴を解説しよう。まず、密着性を高めてアイス性能を向上させるため、新たなコンパウンドとして吸着クルミゴムを採用している。氷表面のミクロ単位の水膜を、NEO吸水カーボニックセルが瞬時に吸水。同時にコンパウンドの柔らかさを保つ持続性密着ゲルがアイス路面への密着性をしっかり高めてくれる。加えて持続性密着ゲルはゴムの硬化を抑えてくれるので、アイス性能を長く保ってくれるのも注目すべきポイントだ。

 さらに、トーヨータイヤが20年以上かけて開発・熟成を重ねてきた独自技術である鬼クルミ殻をゴムに配合。これにより、滑りやすいアイス路面でもしっかりと路面を捉えて安心感を提供してくれる。ちなみにクルミの殻は氷よりも硬く、アスファルトよりも柔らかいため、確実なグリップ力を発揮しながらも路面を傷めないという理想的なゴムになっているのだ。

 これらのコンパウンド性能を存分に発揮するためには、パターンデザインやタイヤそのものの設計も重要である。オブザーブ・ギズツーは、トーヨータイヤ独自の設計基盤技術である「T-MODE」のスノー予測技術を活用している。高精度なシミュレーション技術によって、ざらめ雪やしまり雪、新雪といったさまざまな雪の状態でのスノートラクション性能を高精度でシミュレーション。ホイールや車体形状の違いなど、さまざまな要件も想定しながら、あらゆる車種や路面状況で確実なグリップ力が与えられるよう開発している。

 また、ドライビングシミュレーションやタイヤシミュレーションの解析技術も応用。どのような影響があるかも開発段階で事前に徹底的に行うことで、製品の熟成が行われているのだ。

 また、パターンデザインにも注目だ。2020年度グッドデザイン賞を受賞した非対称パターンは、おもに3本主溝非対称新パターン、吸着3Dサイプ、3連ブロックという3つの技術が高いグリップ力に貢献する。

 3本主溝非対称新パターンは、操縦安定性を高めるため縦方向に3本の主溝を配置。さらに、幅方向に大きい横溝を多数配置したことで、アイス路面やスノー路面での高いトラクション性能に貢献する。

 吸着3Dサイプは、サイプ内側に空洞を設けたことで、ブロック全体が均一に路面へ接地するよう配置。サイプ自体の閉じこみを抑えることで吸水力が向上。ブレーキング時の高いエッジ効果が期待できる。

 3連ブロックは、発進時やブレーキング時にブロック同士が支え合うような構造を採用。これにより、優れたエッジ効果でアイス路面やスノー路面での確かなグリップ力に貢献してくれる。

 このほかにも、制動性能やコーナリング性能を高めるコンビネーションブロック、コーナリング性能向上に効果的なバイティングエッジ、エッジ効果をもたらすバットレスエッジ、アイス・ドライ性能を両立する溝底補強ブロック、グリップ力を確保するファーストエッジ加工といった技術が、冬の路面での安心に大きく貢献してくれているのだ。

 これらの技術によって、アイス制動性能は従来品よりも8%短縮、ウエット制動性能は従来品よりも18%の短縮を実現した。鬼クルミ殻配合の新コンパウンドや徹底したシミュレーション技術によって生み出されたパターンデザイン。また、氷上性能のロングライフ化などスタッドレスタイヤに欲しい技術が満載のオブザーブ・ギズツー。高いグリップ力とロングライフという相反するような特徴を、見事に両立させた理想的なタイヤと言えるだろう。


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