日本では大正8年に初めて設置された
機能にほとんど進化がないからか、最近はLED式が増えたな程度で、基本的には何も疑問に思わず使用しているのが信号機。しかし、歴史を振り返ってみると、着実に進化を遂げている。
世界的に見ると、初の信号機は1868年にロンドンに設置された信号機とされている。日本では明治元年で、もちろん当時まだ自動車はなく、馬車などを制御するものだった。ちなみにガス式で、電気式は1918年にニューヨークに設置されたものが初とされている。
日本でも意外に歴史は古く、1919年(大正8年)に東京で設置されたものが初。これは手動で警察官が交通整理をする際に手を上げるのに合わせて動くという補助的なものだったようだ。そして昭和初期には自動式の信号がいくつか設置されるようになったものの、そもそも意味や見方を知らないため、守る人はあまりいなかったという。
戦後は徐々に浸透して、国際規格にあった発色など、整備が進みモータリゼーションに合わせて爆発的に数が増えていく。当時の信号の後ろに付いていたのがシマシマの板で、これは視認性を上げるためのもの。
そして電球の大型化に合わせて板がなくなり、最近はLED化が進んでいるのはご存知の通り。また見かけることが増えているのが、本体と発光部分が薄い、フラットタイプ。LED化といっても、従来の電球タイプの本体を使っていたのが、コンパクト化できるLEDに合わせて新設計されたもので、メリットは軽量化や見やすさ、さらに取り付け施工やメンテナンスのしやすさなど。今後はこのタイプが増えていくとみられる。
ちなみに赤・黄・青というのは国際的に決められているもの。ただ青ではなく、国際規定では緑であり発色も緑がかっているが、日本の場合、古来から青に緑を含めることが多いので、法律的にも青と呼んでいる。