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500cc間隔が多い? エンジン排気量ラインアップの「刻み」が決まる要因とは

日本の税制が大きく関係している

 なぜ、エンジンの総排気量は0.5(500cc)刻みが多いのだろうか? まずは、実態から見ていこう。いま、日本国内で売れているクルマの排気量はどうなのか? 一般社団法人 日本自動車販売協会連合会の調べで、直近の2020年9月実績で見る。

 第1位のヤリス(1.0L、1.5Lハイブリッド)から順に、カローラ(1.2Lターボ、1.8L、1.8Lハイブリッド)、ライズ(1.0L)、アルファード(2.5Lハイブリッド、3.5Lハイブリッド)、そして第5位のハリアー(2.0L、2.5Lハイブリッド)と、上位5台はトヨタ車だ。

 そのほかのメーカーでは、第6位フィット(1.3L、1.5Lハイブリッド)。第10位ノート(1.2L、1.2Le-POWER)、第21位マツダ2 (1.5L)、第27位インプレッサ(1.6L、2.0L)、第41位デリカD:5(2.3L)となった。

 このように、確かに0.5刻みが多い。その背景にあるのが、排気量区分による税制だ。日本の場合、1.0L以下、1L超1.5L以下、1.5L超2.0L以下として、自家用と営業用それぞれに自動車税が設定されている。そのため、例えばヤリス1.0Lは996ccのように、排気量は税金区分の壁を越えないように設定されている。

 むろん、国や地域によってこうした排気量に対する税制の区分や、税制優遇措置やCO2排出量規制などでの違いがある。たとえば、タイなどのエコカー政策では1.5Lが区分の境目。また、中国では一時、1.6L以下に対する税制優遇によって中国地場メーカーの売り上げた伸びた。こうしたなか、メーカーによっては多様なエンジンラインアップから仕向け別に搭載するエンジンを変更している。

 見方を変えると、事業規模の小さなメーカーは、限られた経営資源のなかで最大の効果を出すため、自社として優先する市場での税制や規制を重んじ、世界市場に対する最大公約数となるようなエンジン仕様を考えることになる。一般的に、新規エンジン開発には数百億円の投資が必要と言われている。

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