お金はなくても新車がいい! 女子が「中古車」を苦手とするワケ (2/2ページ)

オンリーワンなところが購入を躊躇させてしまう……

3)新車よりも壊れやすいのでは? というイメージ

 3つ目は、中古車は壊れやすいというイメージ。クルマはたくさんの部品でできていて、経年劣化する部分や消耗品も多いため、やはりすべてが新品の新車に比べると、故障する可能性は高くなります。もちろん、しっかりと点検・整備をして大切にされてきた中古車もありますが、だからといって絶対に壊れないとは言い切れず、また、適当に扱われてきたクルマばかりが壊れるかというと、100%そうとも言えないというのが実際のところ。それまで乗ってきた人のクセや地域の気候など、購入時にはわからない要素も影響するため、ほとんど運任せになりがちなのが中古車です。

 メーカーの認定中古車であれば、ある程度の保証がつけられて、その期間内なら無償で修理をしてもらえますが、個人売買や保証のない中古車販売店で購入すると、壊れたらその分の修理代がかかってしまいます。修理代だけで済めばいいですが、もし高速道路を走っているときに故障したりすれば、命に関わることも。レッカー車を呼んだり、希少車であれば部品の取り寄せに時間がかかったりと、面倒なことも多くなるので、女性としては安心感という面で中古車を敬遠する傾向にあります。

4)自分好みの完璧な理想形に出会いにくい

 4つ目は、希望の色や装備が自由に選べないところです。新車なら、ボディカラーを決めて、その上で好きな装備がついているグレードを選択するなど、ある程度まで自分の理想どおりの仕様が手に入ります。しかし、中古車は年式、グレード、色、装備に加えて、走行距離や修理履歴の有無、傷や汚れの有無などの要素も考慮しなければなりません。本当は赤いボディカラーがいいけど、走行距離が多いので諦めたり、シートヒーターなど欲しい装備を優先すると、ボディカラーは妥協しなければならない、ということになりがちです。

 ただ、この場合は色にこだわる人にとっては中古車ならではのメリットもあって、すでにカタログ落ちしてしまった個性的な色が中古車なら買えるし、購入価格が安いので、白・黒・シルバーといった下取り価格が高額なものでなく、思い切って他人と被らない色を買ってみる、といった冒険もしやすくなりますね。

5)1点もので価格が安定しないこと

 5つ目は、価格変動が大きいということ。中古車は、同じ車種で同じような年式や走行距離でも、地域や販売店によって評価額が多少違ってきます。また、需要が高まる季節には価格を吊り上げたり、ある程度の期間が経過しても売れなければ少しずつ価格を下げたりといった、時間的な要素での価格変動もありますので、いつ買えばいちばんお得なのかが読みにくいという難しさがあるのです。

 スーパーで1円でも安く買い物をしようと頑張る女性にとって、購入時期や店舗をしっかり見極めて中古車を買わないと損をする、というのはすごくイヤなもの。しかも、ほとんどは1点モノですから、気に入った1台があっても少し様子を見ている間に売れてしまった、なんてことにもなりかねません。そうした、ちょっとギャンブル的な要素があるところも、女性が苦手意識を持ちやすい理由ではないでしょうか。

 ということで、価格の安さをはじめ魅力的な中古車ですが、こうしたデメリットがあるということもしっかり頭に入れてほしいと思います。もしパートナーの女性がいるならば、彼女が気持ちよく乗ってくれるように、しっかりとした販売店を選び、メンテナンスやクリーニングを念入りに。手間暇を惜しまないようにしたいですね。

 でもそれが難しいならば、近ごろは月々の支払額を抑えたクレジットなども用意されている新車の購入を検討してみるのも手です。新車は保証も手厚いですし、何より自分の前には誰も手をつけていない、まっさらの状態。女性からすれば、何もかもピカピカの新車を、長く大切に乗っていく男性も素敵に映るものだと思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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