5台目に選んだのは「ホンダ・インテグラ TYPE R」だ。初代DC2型も素晴らしかったが、僕が選びたいのは2代目のDC5型。初代同様DC5型もスポーティで速くパワフル。文句ない性能だったが、感心させられたのは宣伝プロモーション活動だ。ホンダは2台のレース仕様をノーマルに近い状態でスーパー耐久仕様に仕立て、土屋圭市選手をはじめとするプロレーサー6名を雇い入れて2001年の十勝24時間耐久レースにエントリーする。
そしてはじめての24時間レースで見事クラス1−2フィニッシュを達成。総合でも3、4位に入賞するという快挙を達成したのだった。そのレースには僕もプーマ・ランサーエボVIIで参加していたが17位で完走するのがやっと。耐久性を高めるのが緊急の課題だったが、初登場のインテグラ TYPE Rの高い耐久性を眼の当たりにして三菱自の開発陣にも火がついた出来事だった。この完璧なプロモーションでインテグラ TYPE Rが売れなかったら、日本にはスポーツカーの需要はないとメーカーが判断しても仕方ない。