「自動二輪車」か「自転車」扱いか? 免許はあれど取り締まりが曖昧な「125cc未満」のバイクの不思議

保険や法律上のカテゴリー分けがややこしい

 新型コロナの影響もあって、バイクの人気が高まっていて、ここ数年減少していた販売台数は上り調子に。さらに販売店も新車の販売だけでなく、乗らずに放置していた車両の復活整備で、多忙になっていたりもする。オートバイとひと口に言っても、カテゴリーがいろいろとあるのはご存じだろう。なかでも人気なのが、50cc超から125ccまでのいわゆる原付二種だ。

 この原付二種は、50cc以下の原付一種で定められている二段階右折や最高速度30km/hまでといった縛りがなく、高速道路や自動車専用道は走れないものの、かなり自由度は高い。しかも肝心の免許は教習所でも最短で2日で取れることもあって、人気は高く、各社ともスクーターを続々投入して、ハイブリッドまで存在するほど。それゆえ、通勤快速合戦とも言われ、今一番ホットなカテゴリーだ。

 というのが最近の流れなのだが、じつはこの原付二種というのは、カテゴリーとしてとても複雑なのだ。原付二種というのは、50cc以下の原付一種に対するもので、法律的には道路運送車両法での呼び名。自動車保険についても、原付一種と二種をひっくるめて原付としているので、自動車保険のファミリーバイク特約でカバーできる。つまり負担はほぼなく、人気になっている理由のひとつでもある。

 ちなみに道路運送車両法では125cc超、250ccまでのバイクを二輪の軽自動車という扱いになっていて軽二輪と呼ぶが、免許は普通自動二輪となるので、ややこしい。

 さらに小型自動二輪車という呼び名もあるが、こちらは道路交通法でのもので、警察もこれに準じている。そして、免許も道路交通法での規定に沿っていて、普通自動二輪のなかの小型限定という扱い。だから、上の大きさの自動二輪を取る際は、小型の限定解除と言ったりもする。

 問題というか、気になるのは取り締まりで、自転車にエンジンが付いているという扱いの原付でもあるし、小型自動二輪とすればバイクにもなる。例えば路肩走行は原付、つまり自転車として考えれば合法となる一方、小型バイクとして見れば路肩走行は違反になる。

 実際に白バイの警官に聞いたところによると「実際のところは曖昧」とのことで、「125ccまでだと実際はわざわざ追っかけていって、取り締まりはしない」とも。この点でもじつに曖昧ではある。ただ、「捕まらないと言っても、危険だから路肩は抜けないほうがいい」とも言っていて、まさにそのとおり。サンキュー事故、歩行者や自転車の飛び出しに遭う確率も高くなるので、法律以前に路肩のすり抜けはしないほうがいいだろう。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

-

愛車
フィアット500(ヌウォーバ)/フィアット・プント/その他、バイク6台
趣味
レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
好きな有名人
遠藤ミチロウ、岡江久美子

新着情報