ストレスフリーの乗り味を実現! デザイン性と上質感を両立
試乗&リポート
モータージャーナリスト 藤島知子
WEB CARTOP、CARトップ本誌でお馴染みのモータージャーナリスト。TV番組「クルマでいこう!」に出演するほか、女性誌にも執筆。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
日常をアクティブに演出するルックスと機能性を両立させたSUV。いまや国内外で確固たる立ち位置を築いている。新しいモデルが続々と登場するなかで、日産が独自に磨いた先進技術を惜しみなく投入し、話題になったのが今回ご紹介するキックスだ。すでに海外では市場投入されていたが、2020年に日本導入のタイミングでデザインやパワーユニットに大幅に手を加えその魅力を高めてきた。
試乗する前に、まずエクステリアをチェックしてみよう。ダブルVモーショングリルを採用したフロントフェイスには艶やかなブラックにメッキがあしらわれているが、知的な表情で好感が持てる。2トーンカラーも設定されたフローティングルーフはキックスならではの個性を演出。タフなSUVにスポーティさが加わり堂々とした風格だ。
フジトモCHECK!
フローティングルーフに注目! カラーバリエーションも豊富
各ピラーの一部をブラックアウトした「フローティングルーフ」に注目。またプレミアムホライズンオレンジ/ピュアブラックを含む4種類の2トーンカラーと9色のボディカラーの全13色を用意。
今回試乗するのは上級仕様となる『X ツートーン インテリアエディション』。日本で販売されるキックスは全車『e-POWER』を搭載。駆動用バッテリーは前席の床下に配置することで、低い荷室フロアを実現している。荷物がしっかり積めるパッケージは日常からレジャーまで活躍するSUVの用途にふさわしい。
キックスがライバルより優れるのは、そのドライバビリティだろう。運転席はフロントウインドウの視野が広く見晴らしがいい。交差点の右左折時に死角が少ないのは嬉しい。
エンジンが発電役に徹し、モーター駆動で走るe-POWERは街乗りから高速走行まで静かで力強い電気の走りを披露する。発進時のトルク感、追い越し時のパワフル感もSUVにふさわしく従来のものから向上し、タイヤが滑らかに路面を捉えながら、力強さを発揮するモータードライブならではの魅力を満喫させてくれる。
e-POWER搭載
バッテリーとエンジン出力を高め、中高速域の力強さをアップした新型e-POWER。発電タイミングも従来の物から改良を加え、よりEVらしい静かさを得た。またS/ECOモードを選択するとアクセルペダルだけで加速から原則まで車速の調節が可能なワンペダルドライブへと切り替えられる。
エンジンは低中速域の始動頻度を抑えているので、静かで快適なドライブを楽しめる。エンジン車に乗り慣れたドライバーでも、違和感はないはず。
また、S(スマート)モードやエコモードを選択すると、アクセルペダルの踏み込みを緩めたときに減速エネルギーを回収する回生ブレーキの効きが高まる。赤信号で停車するときや下り坂など、アクセルペダルの踏力を緩めるだけで減速していけるため、ブレーキペダルに踏み換える頻度が7割ほど減る。市街地はもちろん、ワインディングでも小気味のいい走りを見せてくれる。
シーン別
最新e-POWER走行性能チェック
市街地
市街地ではモータードライブのトルクフルな走りが気持ちが良い。ピュアガソリン車より静粛性が高いのもポイントである。
高速道路
中高速域が力強いのも新型e-POWERのポイント。追い越し車線での加速も十分かつリニア。快適なロングドライブを楽しめる。
悪路
S/ECOモードを選択すればワインディングや荒れた道でもワンペダルでテンポよくコーナーをクリアすることができる。