GLBは本格オフロード性能とユーティリティを兼ね備える
メルセデス・ベンツのSUVラインアップは、Gクラスを頂点にGLS、GLE、GLCそしてGLAと鉄壁を成していた。それに今回GLBが加わったことで、ますます選択肢が拡がったことになる。
そこで今回はフルモデルチェンジされ二代目となった人気の高いGLAと、新しくカテゴライズされた新生GLBの2モデルに焦点をあて、試乗インプレッションを行った。
まずはGLBだ。GLBには2リッター4気筒のディーゼルターボエンジンを搭載する200dと、2リッター4気筒のガソリンターボエンジンを搭載する250 4MATICが用意されているが、今回はSUVとして、より高い走破性を備える4MATICを選んでみた。
GLBは外観的にも個性的な仕上りを見せている。とくにCピラーから後方へと一段高まるウインドウラインが特徴的だ。逞しさを表すフロントマスクデザイン、そして荷室スペースの容量や3列目シートの居住性を確保するための、ワゴンボディ的なリヤエンドデザインも実用性の高さを物語る。
運転席に乗り込むと、最新メルセデス・ベンツ車の常識的な装備となるMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)を備えた10.25インチの液晶ディスプレイモニターを横に2連装したインストルメントパネルが迎えてくれる。エアコンの吹き出し口やレザー仕立てのダッシュボードなど、上級クラスのメルセデス・ベンツ車と同様で高級感に溢れている。
センターコンソールにはメルセデス・ベンツ車の走りを支えるダイナミックセレクトのスイッチがあり、COMFORT(コンフォート)、ECO(エコ)、SPORT(スポーツ)、Individual(個別設定)から選択できるが、4MATICにはさらにOff-road(オフロード)モードが加わり、悪路での走破性を高められるようになっている。
4MATICは通常、前輪100%後輪0%から前輪50%後輪50%の範囲でトルク配分している。これがコンフォートモードでは前輪80%後輪20%となり、スポーツモードでは前輪70%後輪30%、オフロードモードでは前輪50%後輪50%のトルク配分をベースに自動調整されることになる。
またオフロードモードエンジニアリングパッケージという専用ABSセッティングモード、車体の勾配や傾きをグラフィック表示するオフロードスクリーン、時速50kmまでコーナリングライトを点灯させるオフロードライト機能なども標準で装備されているのだ。
もちろんDSR(ダウンヒル スピード レギュレーション)といった低ミュー路の下り坂で威力を発揮する電子制御ブレーキ速度コントロールも備えている。最低地上高202mmという高い設定もあり悪路では頼もしい性能を備えているのは間違いない。
オンドーロや高速道路を走ると高いヒップポイントで視界はいいものの、重心が高いこともあって操縦性はややバネ上の車体のふらつきが感じられアジリティが高いとは言えない。また3列目に着座してみると足もとスペースがきつく、大人が乗り込むのは乗降性も含めて難があると感じた。エマージェンシーとして割り切るか、身長の低いお子さま向けと考えておくべきだろう。