動かした瞬間にさまざまな部分から悲鳴が上がる可能性も
中古車はもちろん、新車でもたまに存在している「長期在庫車」。中古車の場合は仕入れた(もしくは下取った)はいいけれど、なぜか売れることなく店頭に残ったままというものだ。
通常の中古車店であれば、数か月売れなかったような車種は業者オークションへ流して売れ筋の車種と入れ替えるということが一般的で、1つの店舗で長期在庫をするというケースはじつはそこまで多くない。
しかし、郊外で広い敷地がある中古車店や、オークションに出しても落札が見込めないような不人気車(もしくはマイナー車)に関しては、オークションに出品するだけで車両の輸送に諸々の手数料などが発生してしまうので、あえて手元に置いているというケースもまれに存在している。
マニアックな中古車検索を日課としている人であれば、「あのクルマずっとあるな……」という車両を見たことがある人もいることだろう。
では、そんな長期在庫の中古車を購入しようとしたとき、ずっと置きっぱなしだった個体のアチコチは問題ないのだろうか?
結論から言えば、「問題ないとは言えない」というのが正直なところである。登録間もない車両であればまだしも、年式も古くなった個体が長い期間動かされることもなく寝かされていたとなれば、動かし始めた瞬間にさまざまな部分から悲鳴が上がってもおかしくない。
納車前に点検整備を行うとしても、法定点検が義務付けられている部分以外に関してそこまで掘り下げて点検することはまれと思われるので、よほど気に入った車種か、故障が続発しても笑って許せる程度の価格でない限りはオススメしないというのが実情だ。
逆に、新車未登録の長期在庫車はどうかというと、こちらは価格次第では買っても問題ないと言える。さすがに新車の場合は長期在庫と言っても長くて数カ月といったレベルであり、もともと新車ということもあって長期保管によって各部が大きく劣化するということはないだろう。
もちろん完全な新車に比べれば若干のへたりはあるかもしれないが、値引額によっては狙う価値はある。それに万が一トラブルが発生したとしても、新車であれば新車保証が残っているため、ユーザーが身銭を切ることはないからだ(入庫などの手間はかかるが)。