低速や悪路での乗り心地、荷重面はバイアスタイヤのほうが良い
タイヤの構造には大きく分けて2種類あるのはご存知だろうか。ラジアルタイヤとバイアスタイヤなのだが、乗用車では前者が主流というか、ほぼすべてのクルマがラジアルタイヤだ。
もちろん高性能だからなのだが、その昔はバイアスタイヤが主流で、スポーツカーなどの高性能車だけがラジアルを履いていて、カタログなどでは大きくアピールしていた。また、スポーツ系のオプションとしてラジアルタイヤが用意されていたこともある。
年配の方なら、ラジアルって高級、というイメージが強いかもしれないし、クルマ好きならバイアスタイヤなんてトラックみたい、と思うかもしれない。つまり、うんちくとしては定番なのだが、ではなにが違って、特徴はそれぞれなにかというとちゃんと答えられる人は少ないかもしれない。
まず構造としては、内部にある繊維状のカーカスと呼ばれるものを、正面から見て左右に真っ直ぐ配置しているのがラジアルで、中心から放射状なのでラジアル(放射状)と呼ばれる。
逆に斜めに重ねているのがバイアスで、こちらもバイアスというのは英語で斜めを意味するので、この名前がある。
ここまではこれまたよくある解説だが、性能面ではどうだろうか。バイアスより、すべての面でラジアルが勝っているように思えるが、低速や悪路での乗り心地はバイアスのほうが上。また荷重についてもバイアスのほうが強い。だからトラックは今でもバイアスが多い。
とはいえ、それ以外の性能。発熱や操縦安定性、燃費、摩耗などにおいてはラジアルのほうが上だ。乗用車はラジアルが当たり前なのも当然なのだ。
しかし、オートバイでは逆でバイアスが主流で、ラジアルを敬遠するライダーもけっこう多い。低速時の乗り心地がいいのはサスペンションやフレームの剛性が低いバイクにはとくに相性がよく、一気に荷重をかけた場合のしっかり感や耐衝撃性もバイアスのほうが上というのも支持される理由だ。
またバイアスは価格が安いというのもある。
バイクに乗らない人には関係ないかもしれないが、トラック以外でもバイアスはまだまだ現役というのだけでも知ってほしい。また、うんちくとしてもオススメの知識だ。