「西部警察」好き必見! 北海道の聖地に想いを馳せる
毎年9月下旬には、休暇も兼ねてアメリカ西海岸の新車販売現場の様子を見にいっていたのだが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響でとりやめにした。そこで“GO TOトラベルキャンペーン”を利用して遠出をしようと北海道を選んだ。ただベタな観光地を巡るつもりはなかったので、札幌近辺で過去に西部警察がロケを行ったとされる“聖地”を巡ることにした。
若い人には馴染みが薄いだろうが、筆者のような“オジサン”世代では知らない人がいないほど、かつて人気を博したポリスアクションが西部警察である。大門部長刑事率いる、西部署の大門軍団が派手なガンアクションやカーアクションで毎週事件を解決するという内容であった。劇中では多数の“スーパーマシン”が大活躍していた。
新千歳空港にお昼ごろ降り立ち、さっそくレンタカーを借りて札幌市内の聖地巡礼に向かった。放映から30年以上が経過するのでかなり変わっているだろうなあと思っていたのだが、劇中で北海道警本部として使われたとされる建物は、外壁こそ塗り替わっていたものの、そのまま健在。軍団がコンサートを行ったとされる公園も当時の雰囲気が残っていた。
次の日は最終回で派手なアクションが展開された夕張へ向かった。爆破シーンが撮影されたという“錦橋”は、いまはその先も含めて立ち入り禁止となっていた。
その後札幌市内に戻り、パートII第26話“北斗の叫び カムバックサーモン”において、カーアクションが展開されたとされる、豊平川にかかる国道275号線の“雁来大橋”付近の豊平川河川敷に向かった。河川敷はゴルフ場や公園が整備された場所もあるが、草木が生い茂ったままの放置された場所があった。それほど広くない河川敷でも派手なカーアクションを撮影してしまうのは、さすが石原プロモーションだと感じた。
最終日は登別温泉にも近いオロフレ峠へ向かった。パートⅡ第29話“燃える原野! オロフレ大戦争”において、ストーリーの中心となる、無実の可能性が出てきた死刑囚が、妹とドライブ中に、ダンプに追突されクルマが谷底に落下していくシーンが撮影されたとされている。
筆者世代の男子ならば、“西部警察”を知らない人がいないぐらい、いまでも同世代の間では“共通キーワード”として話が盛り上がる。とくに自動車に関する記事を執筆する筆者の知人のなかには、西部警察がいまの仕事をめざしたひとつのきっかけとするひとも少なくない。
“刑事ドラマ=カーアクション”は当時のお約束であり、筆者は西部警察をはじめ、大都会(パートIIとIII)、特捜最前線、太陽にほえろ、華麗なる刑事などなど、とにかく刑事ドラマを見まくった。日本だけでなく、海外刑事ドラマもよく見ており、マイアミバイスに感動して学生時代にマイアミを訪れ、ソニー・クロケット刑事がテスタロッサで走り抜けた同じ道をレンタカーで走ったこともある(その後ポリスに捕まりそうになった)。
西部警察のような予算的なものも含め、これだけスケールの大きいテレビドラマは今後まず出てこないだろう。しっかりと造り上げた作品は数十年たっても、そして何度見ても飽きることはない。西部警察を見ていた“クルマオタク少年”のころのワクワクした気持ちを思い出した3泊4日の聖地巡礼であった。