上級車のハンドルやシートに使われる「本革」! そもそも「何の革」なのか? (2/2ページ)

牛革は耐久性も高いため多くシートやハンドルなどに用いられる

 牛の種類も基本的に不問で、黒毛和牛もあればホルスタインもある。世界中、革製品のために飼育されている牛はなく、食用に飼育された牛の皮が革製品用に加工されており、原皮の8割は輸入品だそうだ。

 ちなみに、いわゆるバックスキンの「スキン」とは、仔牛など原皮の重量が軽い革のこと。シープスキン(羊革)やラムスキン(仔羊の革)、ディアスキン(鹿革)などがおなじみ。

 一方、大人の牛の原皮は「ハイド」。原皮の重さが25ポンド(約11.3kg)以上は「ハイド」で、去勢した雄の革=ステア・ハイドが一番流通している。

 牛の本革は非常に丈夫で、キズや擦れに対する耐性も強く、撥水性や耐熱性にも優れている。使えば使うほど馴染んできて、味わいが増すのも天然素材ならではのメリットだ。また、肌触りと風合い、温もりも本革の特権。ステアリングやシフトノブだと手に馴染みやすく、滑りにくいので重宝される。

 同じレザー(?)でも、合皮は経時劣化していき、本革は美しく経年変化していくところが大きな違いだ。こうした特性があるからこそ、われわれは革製品に魅了されてしまうのだろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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