スポーティな乗り味がトレンドだった時代もあった
3)トヨタbB
トヨタでは初代bBの乗り心地も相当硬かった。走りというより、オートサロンでデビューした経緯もあり、ドレスアップ、カスタマイズ前提!? の若者向けコンパクトカーであり、快適性など二の次だったということだろう。実際、bBのコンセプトに共感するユーザーから「乗り心地が硬すぎる」というクレームは出なかったそうだが、なにも知らずにカッコいいコンパクトカーだと思って手に入れたオヤジにとっては、ビンビンすぎる乗り心地と感じられたようだ。
4)トヨタ・ウィッシュ
トヨタでは、2003年に登場し、ミニバンブームの後押しもあって空前のヒット作となった初代ウィッシュも、5ナンバーサイズのリヤヒンジ式3列シートミニバンながら、ガッチリとした硬めの乗り心地が身の上だった。その理由のひとつとして考えられるのは、2000年にホンダがストリームという5ナンバーサイズのリヤヒンジ式3列シートミニバンを発売し、売れまくったこともあるだろう。
ストリームの乗り心地はやはり過去のホンダ車らしく、ファミリーミニバンとしては低重心を生かしたスポーティな方向に振られ、けっこう硬めの乗り心地でもヒットし、受け入れられたため、そんなスポーティな乗り味が時代のトレンドだったのかも知れない。
今では激安価格で手に入る、そうした車種の初期型を狙うなら、たとえ硬めの乗り味が好みのドライバーであっても、ファミリーカーとして使うのなら、後席でも試乗し、また家族も乗せて判断したいところ。家族からソッポを向かけるようなファミリーカーを買ってしまったら、多くの場合、取り返しがつかない!? からだ。
例えば、5代目オデッセイの中古車を狙うとしても、先進運転支援機能のHONDA SENSINGが備わった後の、マイナ―チェンジでハイブリッドモデルが追加された、乗り心地面でも洗練された2016年2月以降のモデルを選べば問題ないだろう。タイヤもオプションの大径ではなく、標準サイズのほうが乗り心地面で有利ということも、お忘れなく。