ヤリスクロスは「グレード構成」が完璧! 圧倒的に売れると断言すできる走りとは【試乗】 (2/2ページ)

パワフルさと上質さを求めるならハイブリッド

 エンジンフィールは少々ガサツである。1.5リッターで直列3気筒、1シリンダー500ccは、内燃機関の効率としては理想的である。だからアクセルペダルを床踏みすると、3気筒特有の振動とノイズが響く。山坂をグイグイ力強く登るほどのパワーではない。

 ガソリン仕様はラバーフィールの消え切れていないCVTと組み合わされていることもあり、とくに振動とノイズが気になった。都会的SUVらしく、市街地を流している限りそれほど気にはならないのかもしれないが、アウトドアを目指して遠出をするときには目を瞑る必要がありそうだ。そう、ヤリスクロスはやはり、都会を走るのがふさわしい動力性能なのである。

 とはいうものの、そう結論付けるのは時期尚早のようだ。というのは、クロスカントリー性能も秀でているのだ。ハイブリッドAWDのe-Fourももちん片輪が浮いてしまうような荒地でさえスタックを防ぐ「TRAIL」モードが装備されている。急坂を低速で恐る恐る下るような、そんな場面で威力を発揮する「ダウンヒルアシストコントロール」の機能もある。

 ガソリン仕様のAWDでは、河原や岩場ですら踏破可能な「MUD&SAND」や「ROCK&DIRT」もチョイスできる。空転する車輪のブレーキをつまむことで、接地しているタイヤにより積極的に駆動力を伝達するのである。もうこうなったら、アウトドアレジャーの域を超えて、本格的クロスカントリーモデルと呼びたくなる。

 そう、一見すると都会的SUVとしてあるべき魅力的な仕上げをしているかのように想像したヤリスクロスも、じつはそのスタイルにふさわしいタフな性能を秘めているのだ。ますますヤリスクロスの生息地が分からなくなってくる。ただこれだけは言えるのは、誰もが不満なくヤスクロスの世界を楽しめることである。

 つまり、圧倒的に売れる。それがそう確信する理由である。


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