いまや実用車でも「18インチ」は当たり前! それでも16インチの3〜4倍と「大径タイヤ」が安くならないワケ (2/2ページ)

高性能を実現するため多くの素材を用いて構造も複雑になる

 大径タイヤの一般化が進んでも、価格はあまり下がらない。その理由について、横浜ゴムのタイヤ製品開発本部のエンジニア、栗山正俊さんに尋ねると、最新のタイヤは高級素材や高度な技術を駆使して作られているため、大径のフラッグシップ系のタイヤはどうしても価格が高くなるのだという。

 18インチ以上の大径サイズだと、物理的に使用される材料が多くなり、また装着されるクルマはハイパフォーマンスカーが想定されることから強度も確保する必要があり、おのずと価格に反映されてしまうのだ。

 タイヤの基本構造をおさらいすると、まず骨格となるカーカスをポリエステルなどの有機繊維で構成し、リムと接触する部分は金属製のリードワイヤーで補強。さらに剛性を確保するため、カーカスを巻き上げるようにして取り付ける。そこからスチール製のベルトで抑え込み、空気を入れても風船のように丸く膨らまない工夫を凝らす。速度レンジが高いものは、さらなる補強が入り、その上にトレッドパターンのゴムが巻かれ、全体で10数種類の部材で構成される。

 数が増えることで価格を抑える原理は働いているものの、年々構造は複雑化し、素材も高価なものが使われるため、どうしても大径サイズは値段が高くなってしまうというわけだ。

 大径サイズでも、フラッグシップモデルではない製品、またはひと世代旧型になると値段はグッと安くなるので、費用を抑えるなら、自分の用途やクルマの性能を考慮して、ワンランク下の製品を選ぶ選択肢も悪くないと言える。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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