右左折時や「ながらスマホ」運転などにも十分注意が必要だ
左折交差点のときも慎重な判断、予測が必要だ。例えば、左後方の歩道に歩行者、ジョギングしている人、自転車がいる。自車の左後方にバイクがいる……という場合、左折時に巻き込む可能性がある。相手との距離をはかるとともに、左折時に横断歩道上で自車と相手が遭遇するかもしれないと予測する。当然、ウインカーで左折することを早めに示すとともに、ミラー確認、および目視し、徐行または一時停止すればいい。先進運転支援機能の働きでもっとも苦手なシチュエーションともいえるので、先進運転支援機能が充実したクルマに乗っていようとも、ここは要注意である。
それは、右折時も同様だ。直進車が途切れた瞬間に右折したくなるのは当然だが、横断歩道の周囲も要チェック。歩行者、自転車の有無、横断歩道に到達する距離、時間を予測。そこではちあわせになるようなら、無理して右折しないようにしたい。
自車が直進であっても、対向車の右折には気を付けたい。クルマの動き、ドライバーの目線が分かれば、予測もしやすい。ちなみに、優先の直進車でも、無理な右折車と事故を起こした場合、過失割合は0:100にはならない。動いている以上、20:80ぐらいの過失割合になってしまうのだ。
最近、とくに注意したいのが、違反行為である「ながら”スマホ”運転」ドライバーである。ふらつく、追突する、信号無視をする……などの危険運転に直結。自車のまわりにそんなクルマがいたら、予測対処として、離れることが一番である。
一般道で、前を走っているクルマが、不自然にブレーキを踏む、スピードを落としている……といったケースもよくあるはずだ。これまでの経験上、曲がるところを探していることが多く、しかも、ここだ!! ということになると、ウインカーを出さずにいきなり右左折することがある。先行車が不自然な走行をしているときは、そんなことも起こりうる、と予測して運転したい。
これは一般道ではないが、ショッピングセンターやスーパーマーケット、高速道路のパーキングエリアのなどの駐車場も危険がいっぱいだ。とくに、通路を走っているとき、パーキングスペースから出ようとしているクルマ、横断歩行者、ペットとの接触に細心の注意を払いたい。クルマの場合は、鼻先の動き、夜間ならヘッドライトの点灯などをチェック。また、前方不注意にならない範囲で、クルマの陰にいる歩行者を、ウインドウガラスを通すなどして、確認したい。いずれにしても、駐車場内では、すぐに止まれるスピード、徐行で走行することが、安全の基本である。
そうそう、予測運転の重要性を示すデータがあり、予測運転をすることで、ドライバーが危険を察知した際、予測運転をしていないドライバーに対して、ブレーキを踏むまでの時間が半分になるというのだ。それで事なきを得られる可能性は十分にある。相手はもちろん、自身のためにも、ぜひ、リスクを減らす予測運転を実行してほしい。