第四期は2015年から参戦
2020年10月2日、本田技研工業は、2015年からパワーユニットのサプライヤーとして参戦していたF1世界選手権からの、2021年シーズンかぎりでの撤退を発表した。
ホンダは2020年シーズン、レッドブルとアルファタウリの2チーム、4台にパワートレインを供給。世界的なコロナ禍でシーズンが縮小するなか、第5戦のF1 70周年記念大会(シルバーストーン・サーキット)ではレッドブルのマックス・フェルスタッペン、第8戦のイタリアGP(モンツァサーキット)ではアルファタウリのピエール・ガスリーがそれぞれ優勝している。第10戦のロシアGPが終了した時点でのチームランキングでは、レッドブルが2位、アルファタウリが7位というもの。
撤退の理由については、2050年のカーボンフリー化、カーボンニュートラルの実現のためだという。ホンダは2030年に販売する4輪車の3分の2を電動化するという目標を立てている。それを通過点とし、2050年に向けて、先進パワーユニットとエネルギー技術の創造という新たなチャレンジに向けて、資源を集中する目的で、F1参戦を終了するとのことだ。
また、このタイミングでの発表ということで、コロナ禍の影響であることが想像されるが、八郷社長はこれを否定。短期的な収益ではなく、あくまで2050年のカーボンフリー化へ向けて、とくに技術者のリソースを割くためだと語った。
また、これまで撤退後にF1へ何度かチャレンジしてきたホンダだが、2022年シーズン以降の再参戦に関しては、電動化を拡大する2050年への目標にチャレンジするための撤退であるため、八郷社長は「考えていない」と明言。日本ではF1といえばホンダというイメージがあるだけに、驚きであると共に、ファンにとっては残念な発言といえるだろう。
ただし、レース活動はホンダのDNAであり、参戦する他のカテゴリーに関しては、継続すると共に、勝利を目指していくとのことだ。