投資目的で購入する人も増えてきている
2010年代に入ると、超高級車市場の様相が徐々に変わり始めた。中国やロシアなど経済新興国を含め、新たなユーザーが増えてきたのだ。
さらに、自動車メーカー間で経営上のアライアンス(協業)が進むなか、超高級車のビジネスモデルに対する位置付けにも変化が生まれた。
結果的に、超高級車はクルマとしてのスペックも価格も、一気に上昇した。前述にように、5000万円級から1億円を突破するようになる。
この時点で、さらなる市場変化が起こる。それは、投資目的での購入だ。
あるスーパーカーブランドの日本代表は、次のように語る。
「スーパーカー市場はいま、大きく3つの顧客層があります。ひとつは、純粋に走りを楽しみたい方々。二つ目は、調度品のような扱いで長い間手元に置いておきたいという資産として所有することを楽しむ方々。そして、三つ目は購入後の値上がりを期待する投資目的での購入です」。
スーパーカーに限らず、数億円級の超高級車市場では近年、投資目的での購入が目立つようになってきている。
確かに、販売台数が少ない超高級車の台あたりコストが極めて高く、販売価格も上がることは理解できる。だが、投資目的によって吊り上がる急激な価格上昇に、庶民の感覚はまったくついていけない状況だ。