新型フィットは何が「心地いい」のか? (1/2ページ)

フィットは日本を代表するコンパクトカー

 2020年2月、ホンダを代表するコンパクトカー「フィット」の4代目が誕生した。ガソリンエンジン車とハイブリッド車の2モデルが用意され、ライフスタイルに合わせて選べる5つのタイプが設定された。そんな新型モデルを解説していこう。

「4つの心地よさ」を追求する現行フィットとは?

 2001年に登場した初代モデルは、マン・マキシマム/メカ・ミニマム思想を具現化。機械のためのスペースを最小限に、かつ人のためのスペースを最大限に確保するという考えのもと、現行モデルまで進化を遂げてきた。新型ではクルマの移動に置いてもリラックスや癒やしを求めているというユーザーのニーズに応えるべく、心地よさをテーマに開発されている。

 ボディサイズ(mm)は、全長3995×全幅1695×全高1515となる(BASICグレード・2WD)。そのほかグレードにより、各サイズが大きくなる。全グレードにおいて2WD(FF)と4WDの両方が設定される。

 パワートレインはガソリンエンジンとハイブリッドの2本立て。ガソリンエンジンは1.3L直4DOHCで、最高出力98馬力/6000rpm、最大トルクは118N・m/5000rpmとなる。組み合わせるトランスミッションはCVTだ。

 もう一方のハイブリッドは、1.5L直4DOHCエンジンにモーターを組み合わせる。エンジンスペックは最高出力が98馬力/5600-6400rpm、最大トルクが127N・m/4500-5000rpm。モーターが最高出力109馬力/3500-8000rpm、最大トルクが253N・m/0-3000rpmとなり、電気式無段変速機を組み合わせている。

 気になる燃費性能は、WLTCモード燃費でガソリンエンジン車が最高20.4km/L(BASIC・2WD)、ハイブリッド車が最高29.4km/L(e:HEV BASIC・2WD)となる。燃費数値は各グレードや駆動方式によって異なるものの、ハイブリッドに関してはすべてのグレードにおいて20km/Lオーバーの数値を記録している。なお、従来のJC08モードでは、一番高燃費を記録するハイブリッドのe:HEV BASIC(2WD)において、38.6km/Lという驚異的な数値を叩き出している点にも注目だ。ガソリンエンジン車においても高燃費を記録するので、予算や仕様用途に応じて最適なものを選ぶとよいだろう。

コンパクトながら開放的な空間をもつインテリア

 運転席に座り、まず驚くのが広々とした視界だろう。スッキリとした視界を実現したのは、極細フロントピラーの開発に成功したこと。従来フロントピラーは鋼管のような断面構造を採用するが一般的だが、新型フィットはL字などの開断面鋼板を組み合わせて構成。これにより、必要とされる剛性強度をしっかりと確保しながら、ピラーを細くすることに成功している。

 また、ピラー内側をブラック化したことで、視界の妨げを最小限に留めたことも広々とした視界に大きく貢献している。実際、先代モデルと比較してもフロントサポートピラー間水平視野角は、約69度から90度に広がっている。さらに、ピラーが細くなったことで三角窓も面積を拡大。交差点の右左折時での高い視認性に貢献する。

 コンパクトカーながら、多彩なシートアレンジにも注目だ。日々の買い物はもちろん、アクティビティを存分に楽しむために3つのアレンジが用意されている。

 まずは、スタンダードなユーティリティモード。後席背もたれを畳むことで、ラゲッジルームを拡大して広々とした収納スペースを確保する。自転車なども搭載することができ、休日のお供はもちろん大きな荷物を載せて移動するにも役立つこと間違いなしだ。

 ふたつ目は、長物も収納可能なロングモード。後席を倒し、助手席の背もたれを後席側へ倒せば奥行きのあるスペースが出現。サーフボードやスノーボードといった長物を収納できるので、ルーフに背負うことなく安心してドライブを楽しめるだろう。

 そして、3つ目はトールモードだ。後席は背もたれを倒すだけでなく、座面を持ち上げることが可能。これにより、植木鉢といった背丈のあるものを車内に載せられる。ちょっとした家具など、持ち運びに困るようなものも車載できるのは嬉しい限りだ。

 そのほか、さらに快適な室内空間に仕立てられる人気のオプション装備もラインアップする。より上質感や可愛らしさを際立たせるシートカバー(一部グレードは除く)、ナノイーやプラズマクラスターを発生させるルームランプ、素敵な香りが楽しめるアロマモーメントなどを用意。収納スペースをさらに拡大させるコンソールボックスやトレイなども充実している。

カーライフを豊かにしてくれるボディカラー

 歴代フィットでも親しまれているポイントのひとつが、カラフルなボディカラーだろう。新型フィットもグレードによって選択できなかったり、グレード専用色が設定されているが、基本カラーは10色をラインアップする。基本カラーは下記の通り。

プレミアムサンライトホワイト・パール
プレミアムクリスタルレッド・メタリック
プラチナホワイト・パール
ルナシルバー・メタリック
シャイニンググレー・メタリック
エアーライトブルー・メタリック(クロスターを除く)
ミッドナイトブルービーム・メタリック
クリスタルブラック・パール
プレミアムグラマラスブロンズ・パール(クロスターを除く)
サーフブルー(クロスター専用色)

 上記カラーをベースに、ブラックもしくはシルバーのルーフカラーを備えた2トーン仕様、ネス専用となるライムグリーンのアクセントカラーが入るアクセント2トーンのカラーアレンジ仕様も用意されている。

 そのなかでも注目なのは、ネス専用のアクセント2トーンだろう。スタイリッシュなスポーツウェアのようなボディサイドに鮮やかなイエローのラインが施される。アクティブにフィットを楽しみたい人には、ぜひオススメの組み合わせだ。


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