ガソリンスタンドですすめられる「水抜き剤」や「ガソリン添加剤」は本当に必要か? (2/2ページ)

ガソリン添加剤はシビアコンディションの場合などに効果あり

 もうひとつのガソリン添加剤はどうだろう。

 ガソリン添加剤の主成分は、PEA(ポリエーテルアミン)。燃焼室や吸排気バルブ、インジェクターなどに堆積したススやカーボンなどの汚れを除去して、エンジンをリフレッシュするという代物。

 自動車メーカーの日産も、「ピットワークF1」という商品名で純正品扱いで販売しているぐらいなのだから、デメリットもないし、効果もそれなりに期待出来る。

 ただ、吸気系統へのデポジット(堆積物)を除去する成分なら、一般的なハイオクガソリンの成分にも含まれている。またエンジンオイルにも分散清浄剤という添加剤が入っているので、ハイオク仕様のクルマで、定期的にちゃんとしたオイルを選んで交換していれば、ガソリン添加剤を入れる必要性は低いはず。

 ただし、短距離の繰り返し走行が多い(目安:8km/回)、外気温が氷点下での繰り返し走行が多い、低速走行が多い場合(目安:30km/h以下)、アイドリング状態が多い、といったいわゆるシビアコンディションでの走行が中心の人や、長期間、クルマを動かしていなかった場合はデポジットが貯まっている可能性があるので、試してみる価値はあるだろう。

 でも、せっかく吸気系統をクリーンアップするのであれば、燃料添加剤より、ブチルセロソルブを主成分にしたスプレー型の洗浄剤(例:ピットワーク(日産)「エンジンリフレッシュ」)を使ったほうが、洗浄効果は大きいので、使用前使用後の違いが体感しやすい。

 もっとも、チョイ乗りばかりせず、高速道路にでも乗って、中高回転までエンジンを回し、100kmぐらい走ってくれば、デポジットも燃焼し、エンジンの調子も取り戻せるはず。

 ケミカル好きな人は、燃料添加剤などを利用するのもいいだろうが、クルマのコンディションを保つには、定期的にある程度の長距離を走るのが、一番効果的だということも覚えておこう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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