駐車支援はクルマによってできることが異なる
3)駐車支援
さて、初心者ドライバーの苦手な分野といえば、駐車ではないでしょうか。いまや駐車支援については非常に多くの機能が存在し、さまざまなモデルに実装されています。
機能としてはステアリング操作だけを行なうもの、アクセルとブレーキの操作までも行なうものなどいろいろあり、いわゆる車庫入れに対応できるもの、縦列駐車だけに対応するものなどさまざまです。駐車スペースの認知についても、他車をベースにするタイプと白線を検知できるタイプがあり、駐車支援機能がついているからといって、どんな場合でも利用できるとは限りません。実際に駐車支援機能を活用しようという場合には、どんなケースに対応できる機能なのかをしっかりとリサーチする必要があるのです。
最新版といえるのは、リモート操作が可能なタイプ。スマートフォンなどで操作することにより、ほぼ車両が自動で駐車することが可能となっています。こうした機能があると左右の余裕が少ない駐車スペースでも余裕を持って降車したのちに駐車できるので非常に便利。これから増えていくであろう注目の機能です。
4)アラウンドビューモニター
こうした駐車操作自体を行なうものでなくとも、車体の4か所に設置したカメラの映像を合成して、まるでクルマを真上から見下ろしたような映像をモニターに映し出す機能も駐車支援としては有効です。国産では日産の「アラウンドビューモニター」が元祖的存在なので、その名称が一般名詞にように使われていることもありますが、じつは各社で独自の呼び方をしていたりします。いずれにしても駐車時の死角をカバーしてくれるものであり、安全につながる機能です。
なぜなら、駐車時に子どもを轢いてしまうという事故は一定数起きているからです。スタンダードなバックモニターも含めて、こうした機能に頼ることを否定するドライバーもいるようですが、車両が作る死角というのは想像以上に広く、背の低い子どもなどは運転席から見えないことは当然です。このようなカメラを利用して死角をカバーする機能をフル活用できることこそ、むしろ上手いドライバーといえるのではないでしょうか。
5)リバース・アシスト
最後に紹介するのは、どんなベテランドライバーでも苦手なバック走行をアシストする機能としてBMWに採用されているもの。その名も「リバース・アシスト」といい、直近50mぶんの走行ルート(前進)を自動的に記憶し、スイッチひとつでステアリング操作を再現して同じように後退できるというものです(ペダル操作はドライバーの役割)。
前進でしか入れない狭い駐車場から出るときや、すれ違いの難しい狭い山道で対向車と出会ってしまったときなど、周囲に気を配りながら後退するときに役立ちます。後退が長く続くような運転が難しいシチュエーションというのは、どうしてもミスを起こしやすくなるものですから、こうしたアシスト機能をうまく利用して、ドライバーは周囲の確認に集中することで、アクシデントの発生を抑えることができるというわけです。
このように、いまどきの運転支援システムは人間にはとっては不可能な、また難易度の高いレベルの安全性を確保することが可能になっています。もちろん、まだまだできないこともたくさんありますから人間の判断が第一なのですけれども、積極的に機能を利用することで事故のない交通社会につなげたいものです。