真の意味で市販車ベースなのはGT300クラスのFIA-GT3のマシンだ
また、2020シーズンから、エンジンが「車室(キャビン)より前に搭載する」ことが義務付けられ、ミッドシップだったNSX-GTも、FRで参戦。
サスペンションとブレーキも規定の範囲内で自由なので、ベース車両のレイアウトは無関係。
逆に市販車では欠かせない、アンチロックブレーキ(ABS)、トラクションコントロールなどの電子制御はNGで、アクティブサスペンションなどドライビングアシスト機能は禁止。
一方でセミオートマチックミッションは使用可能となっている。
このようにスーパーGTのマシンは、名前の通りGTを超えた存在で、市販車ベースというよりかつてのプロトタイプレーシングカーに近く、空力性能のウエイトが大きいために、ハコ車の面影を残したフォーミュラカーのような存在といった方が正しいぐらいだ。
なおGT300クラスには、JAF-GT300、JAF-GT300マザーシャシー、FIA-GT3規制の準拠したマシンが出場できるので、参加車両は多彩。
このうちFIA-GT3の車両は、シャシー、空力、サスペンション、エンジン、駆動方式まで、ほとんど変更不可。AMG GTやアストンマーチン、ポルシェ911、GT-R、NSX、アウディR8、レクサスRC F、ランボルギーニ ウラカン、BMW M6などのGT3仕様が参戦。強いていえば、これらが一番市販車(ロードカー)に近いマシンといえるだろう。
JAF-GT300のシャシーは、『ベース車両の車室部分を残すこと』という規定があるだけで、改造範囲は広く、JAF-GT300のマザーシャシーは、市販車とは別のシャシーを使う。エンジンもJAF-GT300車両はベース車両と同じメーカーのエンジンなら変更可能で、マザーシャシーは指定のエンジンを使用。駆動方式もJAF-GT300車両だと変更可能なので、スーパーGT参戦車両で、真の意味で『市販車ベース』といえるとすれば、GT300クラスのFIA-GT3のマシンだけではないだろうか。