今後も最先端技術の開発において協業が増える可能性大
だが、最近は電動パワートレインに関わる技術全般や、通信によるコネクティビティ技術をクラウドも含めてトータルで協業するといった、包括的な技術連携が増えた。
逆の見方をすれば、電動化、自動運転、コネクティビティなど、従来の自動車には無かった新たなる技術領域は、社会全体としてみると他社との連携を前提している。要するに、クルマは、衣料、食品、家電などと比べると、社会全体に長期間に渡って与える影響が大きく、1社では対応が難しい分野がどんどん増えてきているのだ。
例えば、自動運転向けの高精度三次元地図「ダイナミックマップ」を日系自動車メーカー各社が「協調領域」と呼び、同じテーブルで協議を進めた。自動運転では「協調と競争」という事業の区別を自動車メーカーは強く意識している。
また、自動車業界では事業を合併することなく、互いの強みを生かして協業するアライアンスという考え方もある。代表的な例は、ルノー日産三菱だ。
世界各地での、自動車業界の水面下での動きを見ていると……。今後数年以内に、ひと昔前ではまったく予想できなかったような「あっと驚く」ライバル同士が仲良く手を取り合う機会が増えそうな気がする。