WEB CARTOP | 独自の企画と情報でクルマを斬る自動車メディア

「契約後にキャンセルしたい」「乗ってすぐ不具合で交換したい」クルマは家電のような対応が可能か? (1/2ページ)

「契約後にキャンセルしたい」「乗ってすぐ不具合で交換したい」クルマは家電のような対応が可能か?

実車が来てしまったら基本的に“返品”は不可

 消費者保護の観点から、契約後一定期間内であれば無条件で契約解除ができる、“クーリングオフ”という制度があるが、自動車購入に関する契約ではクーリングオフは適用除外となっている。

 新車注文書に正式に署名及び捺印、つまり契約が成立してからの無償キャンセルはどこまで可能なのか、そこについては注文書の裏に詳細が明記されているのだが、現実的にはセールスマンおよび販売ディーラーとの個別交渉次第にもなる部分も多い。おおむね初度登録(ナンバープレートがついてしまう)が完了していなければ可能なケースが多いようだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがなかなかかからない状況下でもあるので、契約者の生活環境変化(大幅給料ダウンや失業など)リスクも高いので、とくに納期遅延傾向となっている車両の受注について、新車ディーラーではキャンセルをより警戒しているのが現状である。

 それでは購入車両に不具合があった場合には車両交換や返品には応じてもらえるのだろうかというと、それはなかなか難しいといえよう。まずクルマについては車両登録制度(軽自動車は届け出)というものがある。そして、新車の場合は初度登録業務が完了した直後から減価償却がすでに始まるからである。いったん誰かしらの名義で登録業務が完了してしまえば、たとえ未使用であっても売却時には中古車となってしまうので、同型車への交換はまず応じてもらえない。聞いた話では、原則論としては登録が完了したが未使用であっても、おおむね新車価格の7掛けぐらいまで価値が減ってしまうようだ。

 また、新車を引き取る、つまり納車時には“車両確認証”というような書面にサインすることになる。これは、注文した車両および希望オプションが装着しているかの確認だけでなく、車両のコンディションについても現状で納得しているということを確認するための書類でもある。そのため、車両にキズがあったり、メカニカルトラブルがあったとしても、基本的にはその状態で納得して車両を引き取っていることを証明していることにもなるので、原則論としては無条件で車両交換などに応じてもらえることはない。

画像ギャラリー

WRITERS

モバイルバージョンを終了