まだ収束の気配が見えず新車販売への影響も続く可能性大
「新型コロナウイルスが感染拡大する前に、あるお客さまが『正式に予約発注できるようになったら買うよ』と、ある発売予定モデルの購入意思を示してくれました。そして、6月ごろに正式に予約発注できるようになったので、ご案内したところ『コロナウイルスでそれどころではなくなった』として、キャンセルされました。発売前で正式発注もできなかったので、納車順位確定のための“予約発注の予約”のような段階だったのでまだいいのですが、すでに既販車で正式受注した納期遅延車のキャンセルとなると、かなり話が面倒になってきます」と語ってくれた。
新車販売事情通のA氏は、「ハリアーはいまのところ、納期遅延の最長は来年4月以降となっています。新型コロナウイルス感染拡大はすでに第二波がきたとされているので、今後は第三波の襲来が懸念されています。事業年度締めで10月からは下期となりますが、いよいよ持ちこたえられなくなった企業の倒産やリストラが顕著になるとも言われており、抱えるハリアーのバックオーダーのなかからも、新型コロナウイルス感染拡大を理由としたキャンセルが続出するリスクに備える必要はあるでしょう」と話す。
とはいえ、自販連(日本自動車販売協会連合会)の統計を見ても、毎月バックオーダー消化のためにフル生産で対応している様子が見られるので、納期遅延解消への有効的な手段はなかなか見つからないのも現状。
もちろん、各セールスマンも自衛のために、ハリアーの納車待ちをしているお客へ“探り”を入れる意味でも、きめ細かいフォローをして、早期に対応できるようにしているのは当たり前の話。“こんなに売れるとは思っていなかった”と喜んでばかりいられないと思うのが、余計なお世話で済むことを心から祈りたい。