ドライブレコーダー標準装備の時代に突入!?
4)ホンダとGMのアライアンス強化
自動車業界の再編につながるニュースとして注目だったのは4月に「GMとホンダが電気自動車の車台を共有する」と発表したことでしょう。この両社、ながらく燃料電池分野において協力してきましたので、電動カテゴリーにおけるアライアンスが一歩進んだといったくらいの認識を受けるかもしれませんが、車台共有をするということはテクノロジー面での共同開発とはフェイズが異なります。GMとホンダに兄弟モデルが存在するということになるからです。
さらに9月になって、GMとホンダはアメリカ市場においてアライアンスを強化すると発表しています。その発表ではエンジン車においてもパワートレインとプラットフォームを共有することの検討を始めたとなっています。資本提携まで考えるのは時期尚早かもしれませんが、GMとホンダのグローバル販売台数を合計すると約1300万台と世界最大規模になります。業界再編のきっかけが、4月の発表にあったと考えると歴史に残るニュースといえるでしょう。
5)日本メーカーの決算はSUBARU以外すべてマイナス
新型コロナウイルスの影響が大きく出たのは3月以降ですが、それでも自動車メーカー各社の決算に対して無視できないものなのは言うまでもありません。というわけで、5月に発表された自動車メーカー各社の決算発表は明暗クッキリでした。といいますか、日本の乗用車メーカーでいえばグローバル販売で前年比プラスとなったのは3.3%増のSUBARUだけで、他社はすべてマイナスとなっています。トヨタでさえマイナス0.3%でした。とくに厳しかったのは日産で、販売台数は前年比から10.6%減、当期利益は6712億円の赤字となってしまいました。
ちなみに、厳しいといいながらトヨタは2兆761億円の当期利益を計上していました。すでに厳しい競争に晒されていた自動車メーカー各社ですが、新型コロナウイルスは生き残りをかける状況を加速させたと感じさせるものでした。
6)ハリアーの「実質ドライブレコーダー」機能搭載
6月での気になったニュースは、ユーザーレベルでのトレンドを変えそうなものです。それは、実質的なドライブレコーダー機能を新型ハリアーの上級グレードが標準装備してきたことです。
視界を確保するためのデジタルインナーミラー用のカメラに加えて、フロント用カメラを装着し、それらの映像をメモリカードに記録するという仕組みは、トヨタ自体は「前後方録画機能付きデジタルインナーミラー」と表現するにとどめて、ドライブレコーダー機能とは明記していません。たしかに音声は記録できないなどドライブレコーダーとしてみると不満もありますが、メーカーがこうした機能を標準装備してきたということはサードパーティーやアフターパーツ市場からすると戦々恐々。
今後、自動運転につながる運転支援システムが充実していくなかで、カメラ系センサーの搭載も増えていくでしょうが、それらにレコーディング機能が備わるようになれば、ドライブレコーダーを後付けで買うという時代は遠からず終わってしまうかもしれません。
というわけで、2020年上半期1月~6月の気になったニュースを月ごとにピックアップして整理してみました。もはやアフターコロナで、コロナ以前には戻れないことは間違いなく、自動車業界の変化スピードはますます加速しています。すでに下半期にも大きな動きは見えていますが、自動車趣味を楽しむ環境はこれからどなっていくのでしょうか。