欧州プレミアムブランドに比肩する静粛性と高級感!
コースインして車速を上げると、エンジンの回転のスムースさとNVH(ノイズ バイブレーション ハーシュネス)性能が高まっていることがわかる。ロードノイズもほとんど遮断され、時速100km前後でも風切り音がほとんど聞こえない。欧州のプレミアムブランド車と比較しても遜色ないような静粛性の高いキャビンになっている。STIのネーミングからもっとハードな乗り味を連想していたが、マイルドで高級感のある快適な乗り味で、いい意味で期待を裏切られた。
ハンドリングはステアリング操舵に対して極めてリニアで唐突な操舵力変化や違和感を感じさせない。これは今回から採用されている新開発の2ピニオン式電動パワーステアリングシステムが路面からの振動やキックバックを押さえ込み、操舵に対して正確にアシストできるようになった効果として認められる。試しに旧モデルとなる現行車とも乗り比べて見たが、NVH性能とステアリングの正確さに大きな違いが認められ進化の程がよくわかった。
ブレーキにボッシュ社製電動ブースターを採用したことでブレーキペダルフィールを適切化でき、またアイサイトとの作動マッチングも最適化できるようになった。
次に標準グレードともいえるGT-Hグレードを試す。
こちらもタイヤは同じ銘柄/サイズであり、違いはサスペンションがコンベンショナルなショックアブソーバーであることだ。走らせてみるとしかしNVH性能の高さは変わらず秀逸であり、ステアリングの応答性、正確性も変わりない。ショックアブソーバーの減衰力を変えることができないので、高速ターンではロールがやや大きく感じられるがロードホールディングとしては優れていて操縦安定性は高レベルにある。
STIスポーツもGT-Hもパワートレインは変わりない。新開発のCB18型エンジンはリーンバーン制御を行い、エンジン全長を従来モデルより40mm強短くするなどコンパクト化し衝突安全性などにも寄与させている。サスペンションのロードホールディングが高まったせいでパワーが足りない感覚を覚えるが、数値的には1600rpmという低回転から最大トルク300N・mを発していて動力性能が不足であるはずはない。
レヴォーグは全グレードがAWD(全輪駆動)仕様であり、雪道など低ミュー路の走破性も高いはず。すでに全国から多くのバックオーダーを受けているという。試乗もせず、実車も見ないでも受注できるというのはスバルブランドの信頼がいかに厚く、多くのスバリストに支持されているかを物語っているだろう。