もともとアメリカでピックアップトラックは商業車だった
アメ車といえば、ピックアップトラック。フォードならF150、GMシボレーならばシルバラード、さらには旧クライスラーの流れを汲むラム・トラック。こうしたフルサイズの他に、ワンサイズ小さいミッドサイズピックアップトラックも根強い人気がある。
販売実数を見ると、現在のアメリカ市場の約6割がライトトラックに分類され、残り約4割がカー(乗用車)になる。ライトトラックとは、商業用の大型トラックに対する使われる名称だ。ライトトラックには、ピックアップトラックとSUVが含まれる。
そもそもアメリカでのピックアップトラックは、農業や建築・土木、さらに商店などを営む人のための商業車だった。
一方で、公共交通機関が未発達で、クルマが日常の足であるアメリカでは、さまざまな用途に使えて、なおかつ廉価で長持ちするクルマに対する潜在的な需要があった。
そうしたなかで、たとえばカリフォルニア州など都会な部分とカントリーな雰囲気が併存する社会環境のなかで、一部の若者が「ピックアップトラックは使い勝手が良い」という発想を持った。また、オフローダーに改造することで、自分好みのクルマに仕上げるというトレンドも生まれた。
そうした話は80年代までのことで、90年代に入ると時代の流れが大きく変わった。