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鈑金職人の悲鳴! いまどきのクルマが「町の修理工場」の「手に負えない」理由とは (2/2ページ)

鈑金職人の悲鳴! いまどきのクルマが「町の修理工場」の「手に負えない」理由とは

先進安全装備が付いたことで交換や修理は難しくなった

 クルマをぶつけたり、傷つけたら、鈑金塗装の工場に持ち込んで直してもらうというのが一般的だ。ディーラーに出しても、結局は出入りの業者に出すので同じだったりする。つまり街で見かける鈑金塗装工場が直すというのは変わらないわけだが、最近、対応できないという声がよく聞かれるようになってきた。

 叩いたり、ボディパネルを交換して、パテで修正したら塗装で仕上げるのは今も昔も変わらない気がするのだが、現場ではなにが起こっているのだろうか。色々と聞き込んでみると、一般ユーザーが想像できないほどの変化が起きていた。

1)バンパーやグリル交換が大変

 ご存じのように、フロントまわりには安全装備のセンサー類やカメラが大量に付いている。今までは交換となると外して付け替えるだけだったのが、最悪の場合、センサー類やカメラも交換しなくてはならないし、作動するようにセッティングや初期化も必要になり、もはや鈑金塗装も範囲を超えたノウハウが必要になる。

 また最近増えているのが、衝突の衝撃で浮き上がるボンネットを戻すのが手間も費用もかかるということ。細かくは紹介しないが、かなり大変だ。

2)直し方にもメーカーからの指示

 センサーだけでなく、ボディ骨格自体も衝突安全を考えて作られている。直す場合も、この基準を維持できるように、メーカーから直し方マニュアルが出ていて、それに沿って直す必要がある。もちろん、従わない業者もあるにはあるだろうが、ディーラー、保険会社からの仕事を受けるとなると、従うしかない。もちろん手間はかかるが、それをすべて請求できないのが実際だ。

3)水性塗料

 今までは溶剤系の塗料を使っていたが、体によくないということで、すでに自動車メーカーのラインは水性塗料に切り替えているし、補修の現場も義務化に向けて準備がされている。水性でも塗るのは同じだろうと思うかもしれないが、乾きが悪いので特別なブースを使う必要があるので、設備投資が大変。もちろん塗料をすべて買いなおさないといけない。

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