鈑金職人の悲鳴! いまどきのクルマが「町の修理工場」の「手に負えない」理由とは (2/2ページ)

軽量化や深みのあるボディカラーは補修にも苦労する

4)高張力鋼板&樹脂パネル

 張りが強くて剛性が高められ、薄くできるので軽量化にもつながるということで、採用が進むが、鈑金がとても難しい。叩くのはよほどの熟練でないとダメで、溶接機も対応のものでないとダメ。またパテも専用品を使う。

 樹脂パネルは成形技術の向上や軽量化のために、フェンダーやバックドアなど、剛性に関係ないところは樹脂化が進むが、もちろん鈑金できないので、総取り替えするしかない。

 どちらも基本はパネル交換で対応することが多いが、費用がかさむのでトラブルの原因になることもあるとのこと。

5)個性的なボディカラー

 補修で塗る場合はメーカーからの基本データをベースに、色あせなどを考慮して現物合わせをして調色する。最近は個性的な色味が多く、調色は苦労しつつもできるのだが、マツダのソウルレッドのように塗り方で深みを出している色が増えている。町の工場ではさまざまなクルマに対応するので、塗り方まで特殊だと対応するのが大変となる。

6)価格高騰

 ボディパネルの価格はどんどんと高くなるし、そうなると中古に目が行くのでこちらも高騰。ものがあればいいが、入手もしにくくなっているという声も多い。さらに塗料も同様に高くなっているし、人件費もかさむ。というよりもかさむ以前に新人があまり入ってこなくなったので、万年人手不足だ。高くても保険使うからいいのではと思うが、払うほうの保険会社も商売だけに「ハイどうぞ」とならず、交渉を重ねることも多い。ディーラーの仕事も当然、マージン分差し引かれるので利益を確保するのは大変とのこと。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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フィアット500(ヌウォーバ)/フィアット・プント/その他、バイク6台
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レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
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遠藤ミチロウ、岡江久美子

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