自動車大学校は専門学校が改名して生まれた経緯がある
いま日本全国には20校を超える「自動車大学校」が存在している。大学校という響きから、いわゆる大学の一種と思ってしまうかもしれないが、分類としては専修学校(専門学校)となる。
現在の自動車大学校の多くの前身が、そうした自動車整備に関する専修学校だった。昭和の時代には、そうした専修学校は1年制だったりしたが、二級整備士の養成コースを満たすために2年制が主流となり、そして新設された一級整備士の養成には4年が必要ということになっている。タイミング的には一級整備士を養成するコースを設定した学校が「自動車大学校」を名乗るようになっていったという経緯がある。なお、整備士資格については国家資格であり、こうした大学校に通ったとしても受験資格を得ることができるだけであって、実際には国家試験をクリアしなければ整備士にはなれない。
なお、多くの自動車大学校では卒業すると「高度専門士」や「専門士」といった文部科学省の認める称号を受けることができる。前者は大卒相当、後者は短大卒相当という扱いになり、大学院への進学や、大学への編入も可能になる。即戦力の技術を身につけると同時に、進路の可能性を広げることができるのが自動車大学校なのだ。
とはいえ、卒業生の進路の多くは整備工場などで活躍するメカニックとしキャリアをスタートさせることが多い。やはり、自動車整備士を養成する専修学校という側面が強いのは変わらない。とくに自動車メーカーの名前を冠した自動車大学校については、系列ディーラーへの就職が期待できる。それは、人材確保したい販売店にとってもウインウインの関係になるといえる。メカニックではなく、販売店のセールススタッフとして就職するケースも少なくないという。いずれにしてもディーラー勤務というのが自動車大学校卒業生の王道といえる。
しかし、それだけではない。学科によって自動車メーカーやサプライヤーに就職することもある。また、モータースポーツ系メカニックにも自動車大学校の卒業生が少なからず存在していたりする。