すでに実証実験はスタートしている
国土交通省は、2年後の2022年の商業化に向けて、大型トラックの高速道路上での隊列走行を実現したいとしている。すでに新東名高速道路を使い、現場での実証走行も始まっている。
そして今年の夏、大型トラックを製造する4社(いすゞ、日野自動車、三菱ふそうトラック・バス、UDとラックス)が協調して、隊列走行に必要な技術を構築していくことが決まった。
必要な技術とは、定速走行・車間距離制御装置(ACC=アダプティブ・クルーズ・コントロール)/車線維持支援装置(LKA=レーン・キープ・アシスト)/協調型車間距離維持支援システム(CACC=クーパレイティブ・アダプティブ・クルーズ・コントロール)/それらを組み合わせながら有人走行の補助を行うACCもしくはCACC+LKAによる後続車有人システムである。
以上の技術を使い、まずは来年、実用的な後続車有人隊列走行システムの商業化を目指す段階にきている。これは、すべてのトラックに運転者は乗るものの、運転支援装置が働くことで長距離移動での疲労軽減につながる。そして現実の高速道路上でこのシステムが問題なく機能することを確かめられれば、次に後続のトラックを無人化していくことができるようになる。
大型トラック4社は、3年前の2017年から政府の方針とともに技術開発を進めてきた。そのうえで、要素技術開発や、試験路での確認を終えたあとは、できるだけ現実の道路で不足する課題を見つけ、補っていく必要がある。その意味で、後続車有人システムの運用は大きな前進といえるだろう。
最大の課題は、トラックは生産財であるため、原価をどこまで切り詰められるかだ。高いトラックになってしまったのでは、運送業者は購入しないだろう。