現在のニーズを考慮するとEVよりもHVのほうがベストと判断
また、現在のトランプ政権下ではゼロエミッションへのインセンティブがそれほど大きくないため、北米での電気自動車ニーズが低い傾向にあるともいう。クラリティ・エレクトリックの販売終了についてホンダに取材したところ、現在の北米市場におけるインフラ整備や自動車ニーズを考えると、普及という観点からはハイブリッドが最適だという回答を得ることができた。
逆に、Honda eのメインターゲットが欧州になっているように、EU圏では政策的にCO2排出量への制限が厳しくなり、電気自動車をリリースしなければビジネスとしての持続可能性がなくなるという状況に応じるためともいえる。
北米向けのクラリティ・エレクトリックが生産終了となったのを受けるタイミングで、Honda eの生産が始まったというのは、国や地域によって異なる法規制やニーズに最適化した商品ラインアップを用意するというグローバル企業らしい判断というわけだ。
ともあれ、いずれにしても燃料電池車、プラグインハイブリッド車と共通ボディで作る電気自動車というユニークな出自の「クラリティ・エレクトリック」は生産終了した。バッテリーの寿命を考えると、電気自動車をコレクターズアイテムとするのは難しい面もあるが、はたしてアメリカのマニアはクラリティ・エレクトリックを大事に乗っていくのだろうか。