販売が終了した現在でも人気のあるモデルの前型は個性的だった
3)三菱ランサーエボリューション前夜のランサーターボモデル
三菱が誇るラリーウェポンであったランサーエボリューション。これは乱暴にいってしまえば、それまでギャランに搭載されていた2リッターターボエンジンとフルタイム4WDのメカニズムを5ナンバーサイズのランサーに押し込んだもので、ラリーで勝つために生まれたまさに戦うクルマだった。
ではランエボ登場以前のランサーは大人しいコンパクトセダンだったのかというと、そうではない。古くは初代モデルからラリーに参戦していた歴史のあるランサーだけに、3代目モデルにも「GSR」というグレードが存在していたのだ。
これはフルタイム4WDであることはランエボと同様ながら(2WDもあり)、搭載されるエンジンは1.6リッターターボで、最高出力は145馬力というもの。このエンジンは後にハイオク仕様となり、出力は160馬力まで向上。競技車両ベースとして「GSR RS」という受注生産グレードも用意されていた。
4)日産S13シルビア前夜のS12型
販売終了から20年以上が経過した現在でも、ドリフト競技などでは現役バリバリで使われているS13型シルビア(及び兄弟車の180SX)。S15型まで基本プラットフォームを引き継いでいたことも人気の理由ではあるが、それでも息の長い人気を誇っていると言える。
その一世代のS12型は、歴代シルビアの中で唯一リトラクタブルヘッドライトを採用したモデルであり、ハイパワーエンジンを搭載するグレードはついにリヤサスペンションがセミトレーリングアームの独立式となったのがトピック(それまでリアサスは固定式だったのだ)。
また前期型では2リッターのFJ型と1.8リッターのCA型という2種類のエンジンが存在していたが、マイナーチェンジでFJ型が消滅し1.8リッターのみとなり、兄弟車のガゼールが廃止されるなど一時は存続を危ぶむ声もあったようだが、結局新型が登場したのはご存じのとおりである。