任意保険は自分を守るために入るべきだ
任意保険に加入していない場合は、そうした多額の賠償責任を負うことになる。さらにケースバイケースだが、こうした賠償責任は自己破産を申し立てしたからといって免責になるとは限らない。一生補償し続けなくてはならないこともあるのだ。それが任意保険に加入していれば、賠償責任については保険によって補償が行なわれる(刑事罰は別の話)。
そうはいっても、保険業界でよくいわれる比率では公道を走っている車両の4台に1台は任意保険に未加入なのだという。未加入者の言い分としては、「ただでさえランニングコストのかかるマイカーを所有していて任意保険に加入する余裕がない」だとか、「自賠責保険に入っているから問題ないはずだ」、はたまた「事故を起こすはずがないので任意保険に入ることが無駄だ」といった主張さえあるという。
法律で定められた自賠責保険に加入しているのであれば、公道を走っても構わないというのが法治国家的な判断であり、そうした判断をするのは個人の自由といえる。ただし、ここまで記してきたように、いったん事故を起こしてしまうと自賠責保険だけではカバーしきれないのは疑う余地のない事実で、その賠償責任を負う覚悟がなければ任意保険に加入しておくべきだ。
また、逆説的だが任意保険に未加入の車両が4台に1台も走っているのであれば、そうしたクルマとの事故によって自らが障害を負ってしまうことを考えて、自賠責保険では補償できない領域をカバーできる任意保険に加入しておくことが吉といえる。もちろん、クルマを修理するための車両保険にも加入しておけば、より安心といえる。
つまり、任意保険に加入するというのは、自分の責任を果たすためであり、相手からの補償が得られないときのためでもある。まさに自分を守るために入るのが任意保険なのだ。