放置車両の対処は被害者の負担が多すぎるのが問題だ
所有者がわかれば、車両の撤去と損害賠償を請求する内容証明郵便を送付。
所有者と連絡がつき、撤去に応じてくれれば一件落着だが、多くの場合、連絡がつかなかったり、リアクションがなかったりしてデッドロックに……。
この場合、民法第239条の「無主物先占」に基づいて、内容証明郵便の返信がなかった時点で相手が所有権を放棄したとして、所有者のいない動産の所有権を自分が取得するのが理想的。弁護士など法律家に依頼して、正規の手続きを踏んで所有者を変更。そのうえで撤去、処分するやり方だが、弁護士費用や撤去費用は自分持ち。
もうひとつは、裁判所に訴えて、当該車両の撤去・土地明渡と損害賠償を求めて、訴訟を提起すやり方。被告不在のままでも訴えられるが、手間と時間はけっこうかかる。
この訴えが認められて判決が出たあと、さらに裁判所に強制執行の申立をし、裁判所の許可があって、はじめて法的に放置車両を撤去することが出来るわけだが、費用も時間も手間も大変。それで諦めてしまっている人も多いかもしれない。
放置車両は被害者の負担が多すぎるので、法改正、法整備が求められるところだが、まずは予防策を講じつつ、放置された場合は速やかに警察や法律家に相談し、問題が長期化しないようにするしかない。