EVに対して本気で取り組まなければならない時代に突入
また、日本市場においては過去10年解決を見なかった集合住宅の管理組合問題があるのは事実だが、それに対して後ろ向きの姿勢を取り続ければ、この先の10年も解決しない可能性がある。その間に、日産や三菱、あるいは輸入車のEVがじわじわと増え、管理組合問題も緩和されるようになったとき、いよいよEVを売り出しても、遅れた十数年の歳月を簡単に挽回することができないのがEVである。そのことに、トヨタも含めEVを本気で販売してこなかった自動車メーカーは気づけていない。
さらに、トヨタを含めマツダやスバルは、クルマ単体での環境や効率ばかり語るが、EVの導入によるVtoH(ヴィークル・トゥ・ホーム=EVから家庭への給電)や、電源系統との相互補完などは、暮らしの改善や災害に対する強靭化策とも関連を持ち、人々が安心して暮らせる社会づくりの一助にクルマが参画する視点に欠けている。
いつまでもクルマばかりを見て、未来社会を見通せない自動車メーカーは、10年後にはなくなっているかもしれない。