設計速度によってR=●●mの推奨値が決められている箇所もある
ちなみに高速道路の場合は設計速度によって、曲線半径の推奨値や最小値が定められている。(道路構造令第15条)。
具体的には、設計速度120km/hの区間は、R=710mが推奨値で、やむを得ない箇所でもR=570mが最小値。
同じく100km/h区間は、推奨値がR=460m、最小値がR=380m。
80km/h区間は、推奨値 R=280m、最小値 R=230m
といった具合。(道路構造令第15条は、設計速度120km/h~20km/hまでの曲線半径が定められていて、一般道もこれに則って設計されている)
東名高速でいえば、山間部の大井松田IC~御殿場IC間が、Rの小さなコーナーが続く区間として知られているが、このきついと言われる大井松田IC~御殿場IC間でも、R=1500未満のカーブは58か所。一番Rがきつい下り線の鮎沢PA付近でもR=300m!
サーキットでいえば、300Rなんて全開区間で、実質直線扱いになるだろうが、高速道路で300Rといえば相当慎重に走る必要があり、事故多発区間としてNEXCOも神奈川県警も注意を呼びかけている区間だ。
なお、東名高速に比べ、圧倒的に『まっすぐな道』というイメージがある新東名は、最小半径R=3000とのこと。
余談だが、直径4km、1周13kmのサークルトラックを持ち、400km/hクラスの最高速テストが行える、南イタリアの「ナルドリング」の周回路は、R=2013mだ。
どれも数字だけではイメージしにくいかもしれないが、ヘアピンならヘアピン、高速道路なら高速道路で、どこか数カ所、自分がよく利用する道のRを覚えて、それを基準にして、走り慣れない道でも、Rを示す数字からカーブの緩急を予想できるようになると、余裕を持って安全な速度でカーブに進入できるようになるはず。そのためにも、カーブの警戒標識の「R=●●m」という数字は、なるべく意識してチェックすることをおすすめする。